世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年1月9日

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 モディにとり、オバマを歓待することは、政策的にも政治的にも意味がある。幸運なことに、オバマは、この約30年で最も強力で人気のあるインドの指導者との関係を深めることの意味を理解している、と述べています。

出典:Sadanand Dhume,‘Sadanand Dhume’(Wall Street Journal, November 26, 2014)
http://online.wsj.com/articles/president-obama-goes-to-india-1417022993

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 インドがオバマ大統領を共和国記念日の主賓として招待することは、モディ首相の下、インドが頑迷な非同盟主義から、より柔軟な新思考の外交へと変化しつつあることを強く印象付ける、象徴的な出来事となるでしょう。ただ、もちろん、それは、米印同盟、日印同盟などが近いうちに成立する、ということではありません。

 モディ首相は、就任以来、インド外交を活性化しています。特に対米関係の推進は、モディ外交の重要な柱と考えられます。9月の米印首脳会談後に発表された共同声明には、経済成長、エネルギー、気候変動、ハイテク、宇宙、保健衛生など多岐にわたる協力が謳われました。それと並んで、防衛面での協力が強調され、また、南シナ海での領土紛争に対する懸念が表明されるとともに、海洋安全保障と航海の自由の重要性が指摘されています。これは中国を念頭に置いたものであることは明らかで、来るオバマ訪印でも取り上げられることが予想されます。モディ首相は、中国との対決を考えているわけではなく、オバマも中国をけん制するような発言はしないでしょうが、9月のモディ首相の訪米に続く来年1月のオバマ大統領の訪印によって、米印の安全保障上の関係が強化されることは間違いありません。米印の協力関係強化は、安倍外交の「セキュリティ・ダイアモンド構想」と全く一致するものですから、日本としても、当然歓迎すべきことです。

 昨年1月の共和国記念日の主賓は、安倍総理でした。昨年1月には、インドの政権はシン前政権でしたが、9月のモディ訪日の際には、モディを大いにもてなしています。日印間の良好な国民感情に根差した、安倍総理の対印積極外交は、モディ首相が「国際的のけ者」から脱却し、国際社会で目覚ましい活躍を出来るための、舞台を調えるのに大きく貢献したと思われます。

  
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