2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年1月9日

 1月のオバマ訪印について、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のドゥーム研究員が、モディ首相にとり外交上も内政面からも大きな意味があるとして、11月26日付ウォールストリート・ジャーナルにて、強い期待を表明しています。

 すなわち、モディ首相にとり、1月26日にオバマ大統領の共和国記念日を主賓として招待することは、外交的にも内政の上でも目覚ましい一撃である。米印関係に新たな勢いを与え、モディのグローバルな指導者としての地位を高め、国内の政治基盤を整えてくれることにもなる。

 オバマの訪印は、強い象徴性を持っている。それは、インドは厄介な隣国に囲まれているかもしれないが、強力な同盟国がないということではない、というメッセージを発する。オバマ訪印は、米印関係に、象徴性だけでなく中身も与えるかもしれない。武器の共同生産、民生用原子力の取引の進展は期待できる。

 モディは、外国との重要な友好関係を強化し、国内経済を再活性化させようとしているが、オバマ訪印は、5月の選挙での勝利後に得られた国際的名声を、さらに続かせる機会を与えてくれよう。

 モディ外交の主たる目的は経済であったが、国内での重要な政治的目標にも寄与している。政治的ライバルがモディを攻撃するのに長く用いてきた根拠が失われた。安倍総理、オバマ大統領、アボット豪首相との親密ぶりを見れば、もはや彼が「国際的のけ者」であるなどとは批判できない。今や、モディに長年向けられていた国際的不評はすっかり消滅した。

 オバマがモディを公式に受け入れたことは、この変化を浮き彫りにするものである。

 モディは、彼の支持者である多くの若者が市場経済の中で頭角を現すことを夢見ており、彼らが米国に最も好感を持っていると認識している。それに対し、モディの最も非妥協的な政敵は左翼とイスラミストであり、彼らは世界のあらゆる不幸の原因として米国を非難する。


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