オトナの教養 週末の一冊

2015年9月20日

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 「アメリカ国内で発生してきたさまざまな政治・文化現象が、バラバラなものではなく、実は根底に反知性主義があった?」

森本あんり (Anri Morimoto)
1956年、神奈川県生まれ。国際基督教大学卒。国際基督教大学牧師、同大学人文科学科教授等を経て、2012年より同大学学務副学長。

 「そうなんです。建国以前から続くきわめてアメリカ的なキリスト教精神です。現状を良しとしないので常に新しいモノを生み出す原動力となりますが、その一方〝正義は我にあり〟という独善に陥りやすい」

 本書によれば、「明確に善悪を分ける道徳主義」「生硬で尊大な使命意識」「実験と体験を旨とする行動主義」「世俗的であからさまな実利志向」などが、反知性主義に基づく「アメリカ精神」の特色だという。

 「驚くのは、“信仰すれば、この世の成功が手に入る”という単純かつ楽観的な実利主義ですね。巡回伝道者の説教も結局それで、冒頭のレーガン大統領退任スピーチにあるように、最後は必ず“アメリカに神の祝福あれ”」

 「ピューリタン流の契約神学です。神と人間はギブ・アンド・テイク。人間が信仰義務を果たせば神は祝福する義務を負い、人間は権利として祝福を要求できる。つまり、宗教と道徳が直結し、神の祝福とこの世の成功が直結する。それがアメリカ流キリスト教ですが、相当ヘンです。私たちは彼らと付き合う時に、その特異性をよく知っておく必要がありますね」

 アメリカ研究の必読書の誕生だ。

  
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◆Wedge2015年7月号より


 

 

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