素晴らしいクリエイションが、実は妥協のない細かいディテール一つ一つの積み重ねによって成り立っているように、優れたパフォーマンスに直結する環境要因も、小さなディテールの積み重ねによるところが大きいのではないでしょうか。
自分がされてイヤなことはしない
特に雇用側と雇用される側との間には、気をつけないと意識のギャップが生じやすいものです。当たり前のことではありますが、雇っている側からすれば、「これぐらい大したことがない」と思われるようなことでも、スタッフのそもそもの役割以外の仕事はいっさい頼まないように気をつけています。
もし自分が部下だったら上司の私用のコピーやFAXなどを頼まれたら決していい気持ちではないでしょう。自分がされて嫌なことはしないというのは基本ではありますが、いつも心がけていることです。
他にも、デザイナーにはお客様へのお茶出しや電話やバイク便、宅急便の応対などは頼みません。そういう雑用は意外に多いので、これをしているとデザインに集中できないのです。デザインをする為にサムライに入ってきているのですから、デザイン周りの仕事はどんな小さいことでもやってもらいますが、それ以外の事務的なことは、毎年デザインの専門学校に通う学生に一年間インターンとして来てもらい、彼らに任せています。ちなみに、このインターンからサムライのスタッフになった学生も2人程います。
取材時の校正のやりとりや請求書など書類の手配といった事務的な仕事はアシスタントマネージャーにお願いしていますが、こちらも公私混同をした仕事の振り方は絶対にしないのは言うまでもありません。
さもないとせっかく入ってきた良いスタッフも、「何のためにここにいるのか?」と疑問を感じて、働くモチベーションを下げてしまう可能性がでてきてしまいますので、それはお互いにとってとても不幸だなと思うのです。
フェアに、クリアに。
少人数のオフィスだとつい忘れられがちなのは、人間ドックなどの定期的な健康診断でしょうか。働くひとの健康を守ることは、会社の規模に関係なくマネジメントする側の責任なので、少人数の会社だからということに甘えることはなく、普通の会社のように年に一回スタッフ全員に人間ドックを受けてもらうことも義務づけています。
休暇も佐藤と私だけが長期にすることはありません。昨年末は12月26日から2週間を年末年始休暇としましたが、同じ期間スタッフも全員が休むことができるようにと、会社の休暇として関係者にアナウンスさせていただきました。
とはいっても、4日から動いていらっしゃるクライアントも少なくなく、出社しなくてはならないスタッフもいます。その場合は、休日出勤扱いとし、雇用する側もされる側も全員がフェアだと思えるようにしています。
口に出して言わなければ、相手には伝わらない
また、職場環境の居心地良さを決定する要素として、その場にいるスタッフ間のコミュニケーションそのものをあげることができると思います。