前向きに読み解く経済の裏側

2018年2月5日

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景気はしばらく安泰でも、株価が安泰とは限らない

 筆者は景気予想屋ですから、以上のように、景気には強気の見通しを持っています。しかし、株価のことは、わかりません。株価の予想が出来るなら、今少し裕福になっているはずなのですが(笑)。

 今後も景気は拡大を続けるとすれば、企業収益も増加を続けるでしょうが、そのペースは緩やかでしょう。そう考える理由は複数あります。第一は前年の水準です。景気回復初期は、前年の利益が小さいため、利益の前年比増加率が高くなりがちですが、景気の水準が上がってくる頃には、前年の利益水準が高いので、前年比の増益率は下がっていくからです。

 第二は、コストが上がっていくからです。景気回復初期には、「社内失業者」の尻を叩けばよく、それで足りなければ安い賃金で失業者を雇ってくれば良いのですが、景気拡大が本格化した頃には賃金が上がっています。設備稼働率が低い時には増産は容易ですが、設備稼働率が上がってくると能力増強の設備投資が必要となり、その費用がかかります。借り入れ金利も上昇するはずです。

 企業収益の増加ペースが緩やかになると、当然配当の増加ペースも緩やかになります。一方で、金利は上昇しますから、「株を買って配当をもらうより、国債を買って金利をもらおう」という投資家が増えて、株式には売り圧力がかかるでしょう。

 もちろん、株価を決める要因は多様ですから、結果として株価がどう動くかはわかりませんが、上記のような力が働くということは間違いないでしょう。

 したがって、「景気の拡大が続くと株価も上昇が続く」と考えるのは危険です。「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」というテンプルトンの言葉をしっかりと噛み締めた上で、投資は自己責任でどうぞ(笑)。

  
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