2024年12月9日(月)

ネット炎上のかけらを拾いに

2019年2月28日

 「男(女)はこういうもの」って決めつけ、平成で卒業しませんか。

(fizkes/iStock/Getty Images Plus)

女をディスエンパワーメントする「女性脳は共感」

 ツイッターで「女性 共感」と入れて検索すると、たちまち恋愛指南をつぶやくアカウントのツイートが複数ヒットする。それらの語っていることは、ほぼ同じ。

「男性は解決策、女性は共感を求めます」

「女性はアドバイスを求めているのではなく、共感がほしいだけなのです」

 とかいう例のアレである。

 好きな相手と初めて手をつないだばかりの中学生であるなら、こういった一見わかりやすいマニュアルにひかれる気持ちもわかる。最新の研究では「性差よりも個体差の方が大きい」と言われるようになり、いわゆる「男性脳・女性脳」の話は否定されつつある。血液型占いと同程度に楽しむならまだしも、これを根拠に実生活や恋愛の手ほどきをされるのはなかなかキツいものがある。

 知人に、いわゆる水商売のアルバイトをしていた女性がいる。彼女が店のママから最初に教えられた“接客のコツ”は「ウケるぅ~!」「すごーい!」「それでそれで?」、そして拍手だったという。

 こんな例を出すまでもなく、男性だって共感を求める生き物である。愚痴をつぶやいて正論や解決策で返されたときに「なるほど」と受け取れる男性ばかりではないこと、むしろ逆ギレする人もいることは、ツイッターを3秒ほど眺めるだけでもわかるではないか。

 さらに筆者がこの使い古された雑知識「男は解決策、女は共感」に大きな違和感を持つのは、このメッセージを発信する人の多くから「しょせん女は問題を解決する気がない(笑)」的なディスエンパワーメントを感じるからである。男であれ女であれ、こんなディスエンパワーメントをしてくる人と仲良くなるのはそもそも無理ではないか。


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