新疆ウイグル自治区首府のウルムチに本社を構える新疆広匯実業など、カザフに深く浸透する中国企業の数も増えつつある。同社はカザフの南部と東部で広大なガス田開発を手掛ける企業だ。北京にしてみれば、中央アジアからロシア、欧州へ通じる陸上交易によって西域経済を伸ばしていけば、イスラム系など少数民族や不満分子を圧伏できるとの目論見であろう。
そううまく問屋が卸すかはともかく、中央アジア各国にとっては資源を大量に買ってくれる中国こそが成長の源泉である。せっせと首脳や要人を北京へ送り、蜜月の維持に余念がない。
中国は海へ出ると日本や米国、東南アジア諸国や豪州、インドという海洋パワー・民主主義陣営と衝突する。陸路で行く中央アジアは、濃淡の差はあれ権威主義体制の国ばかり。居心地は悪くあるまい。中国はやはり「シーパワー」であるよりも「ランドパワー」だと、そんな考察にも導かれる。
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