2024年12月23日(月)

Wedge REPORT

2019年10月26日

急増する認知症患者

 高齢化に伴い認知症の患者数は急増すると見込まれている。厚生労働省は2012年時点での高齢者人口の3079万人のうち認知症の有病率を15%と推計して、認知症の患者を約462万人と推計している。団塊の世代が75歳以上になる25年には675万~730万に増加、つまり5人に1人が認知症になる計算になる。

 政府はこのため、12年に認知症施策推進計画(オレンジプラン)を定めて13年から5か年計画で進めてきたが、15年にはこれを見直した新オレンジプランを発表、増え続ける認知症への対策を進めてきた。しかし、認知症患者は増え続けており、対策は決め手を欠いているが現状だ。

活躍の場は広がる

 宮地代表は今後の展開につい「今秋の通常国会で認知症基本法の可決が予定されている。同法案の骨子の一つに認知症予防の推進があり、予防できるコンテンツに関しては今後保険適用になる可能性がある。そうなれば音楽または音楽療法が改めて注目される。保険適用となれば認知度は一気に向上し、安価で音楽療法ができるようになる。この段階で需要は増えるとともに供給も一気にカバーする必要があるので、その時はわが社の出番になる。しかし現在の所属音楽療法士(40名)だけでは到底対応できないので、そこを見据えて未来の音楽療法士を発掘、育成していくことが急務だ」と述べ、ビジネスチャンスとみている。

 高齢者は今後20年も経てば頭打ちになると見られるが、それでも20年あるので、まだまだ高齢者への生きがい支援や認知症予防ができるコンテンツとして音楽療法の有効性は高くニーズは高まりそうだ。

 「一方で実は障がい児(知的障がい&重度障がい)が右肩上がりで増えている。高齢者に隠れて表面化していないが、今後、こうした障がい児のケアは大きな社会的課題になるのは間違いない。したがって、弊社では3年前から障がい児、特に重度の障がい児のみを対象としたデイサービスを神楽坂で開設させ、音楽療法を療育の柱として障がい児の支援に当たっている。音楽療法は障がい領域でも今後、ニーズが高まることは間違いないことから音楽療法士の活躍の場は増える」と強調する。

  
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