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2019年9月27日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

 東京オリンピックの選手村に建設されている「広さ」とレインボーブリッジの眺望が最大の売りになっている「晴海フラッグ(HARUMI FLAG)」(東京都中央区晴海5丁目)を見に行ってきた。8月までに第1期の1次募集(600戸)が終了し、現在、第1期の2次募集が11月中旬までの日程で行われているが、子供連れ家族が多数訪問、担当者と話し合うブースは盛況のようだった。

完成予想図

1万2000人の新しい街

 「サンビレッジ」「パークビレッジ」「シービレッジ」「ポートビレッジ」(賃貸)の4街区で構成され、三方を海に囲まれたオーシャンビューと、銀座や東京にも2~3キロ圏内という立地の良さが「晴海フラッグ」の魅力になっている。2023年3月(高層タワーは24年9月)には4街区の入居が完了、最終的には2つの高層タワー(50階)も含めて5632戸の入居が計画されており、全体では約1万2000人が住む新しい街が誕生することになる。

 「晴海フラッグ」は、東京都の土地だったものをオリッピック選手村の宿舎として開発され、オリンピック終了後に分譲(一部賃貸)されるもので、大手ゼネコンと大手販売会社が参加した、これほど大規模の開発案件は初めて。都心に立地したマンションであることから、若者、中高齢者を含む全世代(20歳代から80歳)で発売前から人気になっていた。

 見学したモデルルームは「晴海フラッグ」の建設場所とは別の場所だったが、天候に恵まれたこともあって家族連れが詰めかけ、モデルルームを見た後に担当者から詳しい説明を受けていた。

最高倍率71倍、ゼロの部屋も

 1次募集を締め切ったところ、1543組が応募し、平均倍率は2.57倍だった。レインボーブリッジが正面から見渡せるパークビレッジの海側の最上階のバルコニー付きの「特等席」部屋に人気が集中、最高71倍の倍率に跳ね上がった。その一方で、海が見えない側の小ぶりの部屋は入居希望者がないなど、バラツキが目立った。

 「晴海フラッグ」のお目当てはレインボーブリッジを正面から見ることができる「パークビレッジ」の海側の部屋だ。窓からの眺めを遮るものが何もなく、「天空のレインボーブリッジ」はこのマンションにしかない絶景と、アピールに力を入れていた。中でも92平方メートルの部屋の価格は1億870万円、78平方メートルは9230万円と1億円前後とかなり高額で、レイボーブリッジの「眺望価格」が上乗せされているイメージだ。

 購入する側からすると、これから何回も売り出されるので、とりあえず、ダメもとでも良いから「宝くじ」を狙うように眺望の良い部屋に申し込んだのではないか。募集する側からすると、これほど倍率にバラツキが出たのは予想外だったようで、不動産に詳しい専門家は「売り出しの倍率に大きな差が出るのは好ましくない。第1次の売り出しは失敗だったのではないか」とみている。

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