2024年11月23日(土)

ショーゼンさんの 川柳いろは教室

2012年5月20日

(1)伝統川柳 人情の機微を詠む
日常生活や風俗を客観的に捉えます。これは「一般川柳」とも言われ、作者が見た人情の機微を描きだすものです。のぞみさんが詠んだ句は、これに入るね。

(2)時事川柳 時代を鋭く切り取る
社会や政治を批判したりする川柳がこれだ。新聞が展開する川柳の多くは時事川柳で、風刺の精神が善しとされる。いかに時代を鋭く切り取るか、を競うものだよ。
企業が募集している「サラリーマン川柳」や「IT川柳」、「介護川柳」などもこの部類。

 国境が行ったり来たり海の上  昌善

(3)現代川柳 作者の喜怒哀楽を詠む
川柳の素材として、他人を捉えるか、自分を捉えるか。自分発の川柳と言われる現代川柳は、作者自身の喜怒哀楽を捉えます。“人間クローズアップ”こそが、現代川柳の醍醐味です。

 大笑いした夜やっぱり一人寝る  杉元紋太

 杉元は、現代川柳の基礎をつくった「六大家(ろくたいか)」と呼ばれる、明治生まれの六人の柳家の一人です。このしみじみとした切なさよ。

のぞみ へえ、視点ひとつでずいぶん句の印象が変わってきますね。

ショーゼン そう。この教室では、自分の心の声に向き合う現代川柳を中心に学んでいきますが、川柳は三者三様。とっても豊かなものなんです。

 どれが一番ってことはありませんから、自分が気持よく5・7・5が作れるタイプで詠めばいいと思うよ。

のぞみ さっきは伝統川柳を詠んだけど、今度は自分の気持ちをショーゼン流現代川柳で詠み直してみます。

 サワーでは語れぬこころ猪口が要る  のぞみ

ショーゼン 急にアフターファイブに・・・。でも、これはあなたの気持が入っているから立派な現代川柳だ。ちょっとした軽みと笑いもある。いいですよ。

 作者の喜怒哀楽を詠みながら、人間をクローズアップする。単なる語呂合わせの5・7・5や言葉遊びに終始することなく、心を詠みたいものですね。

 次のステップは、自分の感情を句に詠み込む際のコツについて、です。現代川柳を詠むには、イジワル目線で自分を見ることがポイントですよ。そのあたりのことは、次回の教室で。

のぞみ 楽しみにしてます! ありがとうございました。

→次ページ 「ひととき旅川柳」入選作品と応募要項を発表!!


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