2024年7月16日(火)

社食に企業の想いあり

2012年6月19日

アットホームな雰囲気が漂う

 男性3人で机を囲んでいたうちの1人、営業総本部の羽渕彰博さん(26)も、「食べる量を調整できるのがいい」とビュッフェスタイルの良さを話す。「おかずでお腹がいっぱいになるので、ごはんの量を減らせます。野菜は高いし、ひとり暮らしの場合だと余らせてしまうこともある。適量を食べられるのは便利だと思います。野菜の味は濃くて、スーパーで買うものにはない甘みがありますね」。インターンの学生(21)と同僚(23)、年齢の異なる3人が和やかな雰囲気で食事していたのが印象的だった。

人材サービスを通し、
社会的な問題の解決策を考える

 自然との共生をテーマとしたオフィス作りや、自社栽培の野菜を使う社員食堂。これらの取り組みを貫くのは、「働く人のモチベーションアップにつながる環境作り」だ。「人材サービス会社である以上、働いている人がいきいきしているオフィスでないといけない。どんな環境ならば楽しく働けるか、コミュニケーションが活発になるかを考えています。ご来館いただくお客様に元気を分けてあげられるぐらいでないと」(中村さん)。

 オフィスの一部は一般の見学も可能となっており、外国人観光客や修学旅行生、大使館からも人が訪れる。ときには観光バスが止まることもあるという。

 「『社会の問題点を解決する』という理念のもと、事業を通じて世の中の課題の解決策を考える企業文化がある」と中村さんは言う。これは創業当初から続く伝統なのかもしれない。就職の決まらない大学生の自殺が増えているというニュースが流れる日本。パソナグループでは、就職が決まらないまま大学を卒業してしまった若者のためにビジネスマナー研修などを行い、就職を支援する「フレッシュキャリア社員制度」などの取り組みを行っている。働きたい人に、よりよい環境を。都会のオアシスのようなオフィスビルからは、確かに「元気」をもらえた。

(写真撮影:WEDGE Infinity編集部)

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