ショーゼン そうですね。8・7・8とか9・7・6とか、長い音字が続くと、詩になってしまいますからご注意を。
基本的には、川柳は韻文でありリズムを楽しむ文芸です。作者自身や他人が読んで心地よいリズムになっていればよいのです。先達の名川柳などに接していれば、心地よいリズムがどんなものなのか、しぜんと耳に入ってきますよ。
またげるときは、またげ
ショーゼン 自由律で詠むのは難しいんだけど、これができるとプロっぽくなるし、意外と句を覚えられやすいんですよね。
旅人のようにあなたはすれ違う 昌善
これは「旅人のように」と「あなたはすれ違う」を上下で8・9にわけた川柳。5・7・5のそれぞれは、「上五(かみご)」、「中七(なかしち)」、「下五」(しもご)というんだけど、この「中七(なかしち)」を「ように」と「あなたは」で分けている。こういうのは、「句またぎ」「句わたり」と呼ばれています。
こだま あ、そういばそんな古川柳を知ってます。
髪を結ふ時に女は目がすわり 古川柳
ショーゼンさんが仰るように、基本のリズムと違うから、なんだか耳に残ってたの。
のぞみ こだまさん、また艶っぽい例句を出してきたわね・・・。
ショーゼン そうそう。この句は内容もインパクトありますけど、「結ふ」と「時に」がつながっているから、覚えやすいんです。
5・7・5以外のリズムで詠んでみると、いろんな言葉を句に含めることができるし、新鮮ですよ。ちょっとやってみてくださいね。