喧嘩の作法

2012年10月4日

»著者プロフィール
著者
閉じる

久慈直登 (くじなおと)

日本知的財産協会専務理事

1952年岩手県久慈市生まれ。日本知的財産協会専務理事。本田技研工業株式会社知的財産部長を経て2012年より現職。主要論文としては国連世界知的所有権機構による世界への環境技術普及のための「WIPO Green」として採用された「プロバゲイティング グリーンテクノロジー」など。

 ホンダはこの12年の間、世界で最も原告側知財訴訟の多い会社であった。意匠権裁判も多い。いっておくが私は温厚でおだやかで個人的には喧嘩はまったく好まない。しかし、企業は組織で動く。喧嘩を得意とする先輩と後輩にめぐまれることにより、私も喧嘩の作法を身に付け、ホンダは大多数の知財訴訟で勝つことができた。それは勝つ見通しをつけてからやっているということでもある。

 原告になるのは、言わばハンターとして知財を扱うことであり、逆に被告であるハンテッド側のマインドや行動パターンは違う。全方位で防衛しようと出願件数がどんどん増え、その後は座して待つ行動をとるのに対し、ハンター側は使えるものを出願し、常に市場をみにゆく行動をとる。

 日本企業、特に電機会社は現在、苦戦しているが、日本企業の発明創出力は世界のトップである。ならば知財戦略と戦術をどうすればいいか。答えはハンター側の知財戦略をとり、ハンターとしての戦術を駆使することである。

 そうして、知財はビジネスに大きな影響力をもつことになる。知財を軽くみてはいけないのである。

◆WEDGE2012年10月号より

 

 

 

 

 

「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。

関連記事

新着記事

»もっと見る