2022年12月4日(日)

中国はいま某国で

2012年10月15日

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谷口智彦 (たにぐち・ともひこ)

慶應義塾大学大学院SDM研究科教授(前内閣官房参与)

2013年1月から安倍晋三首相退任まで、同首相の外交政策演説を起案。2005〜08年、外務省外務副報道官。先立つ約20年『日経ビジネス』記者。元ロンドン外国プレス協会会長。東京大学法学部卒。1957年、香川県生まれ。

 大統領が褒めちぎったのは彼らの報告についてだった。「これまで西側は気候変動への対処が進まない理由を中国の非協力的態度に求めてきたが、これだけの報告を聞いて、もうそんなことは言えない」と大統領は言った。

 大統領の口吻(こうふん)は、西側社会で中国応援団となることにアイスランドはニッチ(隙間)的なアイデンティティを追い求めるつもりであるかに聞こえる。

 なお両国は、共同でオーロラ観測台を建てることでも合意したらしい。

武器輸出が10年間で2.6倍に

 武器の貿易に関し詳しい追跡調査をすることで名高いスウェーデン・ストックホルム国際平和研究所の調べによると、中国は2001年から11年までの10年間で武器の輸出を5億1400万ドルから13億5600万ドルへ2.6倍以上伸ばした。

 近年は中南米市場の開拓が目立つ。10年、コロンビアへ2400万ドル相当の武器を売ったのは、同国向けとして初となった(1970年からの期間中)。11年にはエクアドルに2200万ドルの武器を売ったが、同国向けでは94年に400万ドル分を売って以来の本格輸出だ。ボリビアへは少額の輸出例が何度かあったが、11年に記録した2100万ドルという規模は前例破りとなった。

 輸出増進の稼ぎ頭となった品目は、航空機(01年の2億7300万ドルが11年に6億1100万ドル)、軍用車両(同期間、6600万ドルが3億1900万ドル)、ミサイル(同期間、7400万ドルが2億7400万ドル)、艦船(01年の5800万ドルが10年の2億4300万ドル)である。補修部品の継続供給が必要なこれら武器をひとたび売ると、中国にとって長期安定的な顧客ができることになる。

 輸出先として突出しているのは断然パキスタンだ。11年、中国がパキスタンに売った武器の金額8億9800万ドルは、同年中国が世界に売った武器総額の66%以上を占める。パキスタンとは中国軍需産業にとって、巨大銀行さながら、「大きすぎて潰せない」国だとわかる。

[連載]中国はいま某国で
[特集] 習近平と中国 そして今後の日中関係は?

◆WEDGE2012年10月号より

 

 

 

 

 

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