2024年6月21日(金)

ベテラン経済記者の眼

2013年2月25日

 これから国会同意のプロセスが残っているが、筆者の個人的な見方としては、黒田氏で決まった場合、日本にとっては非常に良い人選だったのではないかと思う。黒田氏は英語が堪能で財務省の国際局長、財務官時代には大臣に同行してG7などに何度も出張し、「通貨マフィア」として内外に知られている。現在はアジア開発銀行の総裁としてアジア各国からの信頼も厚い。主計局畑ではないが財務省出身なので、日本や各国の財政政策についても通じている。そういう意味では正に適任といえる。

冷静かつしたたかな安倍首相の人選

 あえて総括するとすれば、多くのメディアも含めて当初、武藤氏が有力とみていた向きがあったが、当の安倍首相にとっては、実は武藤氏という選択肢は最初からあまりなかったのではないかと想像する。

 もちろん候補の一人として検討はしたであろうが、国会で同意されない5年前のような政治的なリスクをとって武藤氏を立てるより、同意の見通しが立ち、国際金融の世界で抜群の力を持ち、金融緩和や脱デフレで首相と考えの近い黒田氏が現在の政治状況ではベストの選択だったのだろう。官僚色は薄いが、黒田氏も財務省出身で、財務省を外してはいないという意味で恩も売っている。首尾良く国会同意を受けられれば、冷静かつしたたかに人選を進めていた安倍首相の「勝ち」といえるのではないだろうか。

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