BBC News

2022年5月7日

»著者プロフィール

4月半ばに黒海で沈没したロシア黒海艦隊の旗艦、巡洋艦「モスクワ」について、ウクライナが同艦攻撃に成功したのはアメリカの情報を得てのことだったと、米NBCニュースなど複数の米メディアが5日、伝えた。米国防省はこれを受けて、米政府が提供する情報の使い方を決めるのはウクライナ側だと述べた。

米メディア各社は複数の米政府関係者の話として、ウクライナ軍がアメリカに、ウクライナ南西沿岸オデーサの南を航行中の軍艦について情報を求めたと伝えた。この要請にアメリカ側は、「モスクワ」だと情報を提供し、位置の特定を支援。これを受けてウクライナ軍がミサイル2発で、巡洋艦を攻撃したという。

取材に応じた匿名の米政府筋は、アメリカは「モスクワ」の認定と位置特定に協力したものの、ウクライナ側が敵艦をミサイル攻撃するとは知らなかったと話している。

巡洋艦「モスクワ」について、ウクライナは最新の対艦ミサイル「ネプチューン」2発を使った攻撃に成功したと説明している。対するロシア側は、弾薬の爆発で艦体が損傷し、その後「荒れた海」が原因で沈没したと主張している。

<関連記事>


報道を受けて米国防総省のジョン・カービー報道官は6日の定例会見で、アメリカの機密情報をどのように使うか決めるのはウクライナだと述べ、「我々が提供するこうしたインテリジェンス(機密情報)は正当かつ合法で、限定的なものだ」と話した。

報道官はさらに、ウクライナは複数の国から得るインテリジェンスを総合して判断しており、「アメリカだけが唯一、ウクライナにインテリジェンスと情報を提供しているわけではない」と述べた。

乗員510人の「モスクワ」は、黒海艦隊の旗艦として、ウクライナへの海上攻撃を主導。ロシア軍の威力を示す象徴的かつ軍事的に重要な存在だった。

黒海のスネーク島に駐留するウクライナ部隊は2月24日の軍事侵攻開始直後、巡洋艦モスクワによって、投降するよう指示された。しかしそれを無視し、「地獄に落ちろ」と言い返していた。このことからも、巡洋艦モスクワはウクライナ国内でも注目された。

ロシア軍将官の戦死については

これに先立ち、カービー報道官は5日にも、次々と戦場で死亡するロシア軍将軍について、その位置をアメリカがウクライナ側に提供しているのではないかとの報道を受け、これを否定していた。

カービー氏は、「我々は戦場にいる軍幹部の位置についてインテリジェンスを提供していないし、ウクライナ軍による標的選定の決定に参加していない」、「(ウクライナ軍は)独自に判断し、独自に行動している」と述べていた。

ロシア軍幹部の相次ぐ戦死と米政府からの情報については、米国家安全保障会議(NSC)の報道官も、「ロシアの将軍を殺害する意図をもってインテリジェンスを提供したりしていない」と報道を否定していた。

(英語記事 Ukraine news update / Moskva sinking: US gave intelligence that helped Ukraine sink Russian cruiser - reports

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61360507

関連記事

新着記事

»もっと見る