2024年12月22日(日)

ショーゼンさんの 川柳いろは教室

2013年6月4日

 こんにちは。いよいよ梅雨入りしましたね。

 「三味線も風邪声の出る梅雨の内」という古川柳があるそうです。江戸の昔の句なのに、梅雨のじめっとした様子がよく伝わってきます。僕はこんな句を読むと、たった17音字で江戸のひとと心が通じた気がしてうれしいんだよね。

 梅雨時期なりのお題ってたくさんありますから、みなさんも身の回りのことを詠んでみてね。

あえての1字空け

ショーゼン さて、きょうは川柳がうまいといわれる小技をひとつお教えしましょう。以前、川柳の書き方の基本は、スペースを空けないことだといいました。覚えていますか? 

のぞみ はい、「上五(かみご)」「中七(なかしち)」「下五(しもご)」の間にはスペースを空けず、いっぽんの棒のように書くんですよね。

ショーゼン そうです。17音字の川柳のどこで区切って読むかは、読み手にゆだねられるものです。

 でも、あえて1字をあけるという高等テクニックがある。なぜ高等かというと、空白のスペースに意味を持たせるわけですから、これは難しい。句の作者が一拍おいてほしいと思う場合は、その意思表示のために空白をつくるんです。

少し動く 鬼は恋している気配

こだま スペースをあけて「少し動く」を取り立てることによって、気配のわずかな変化が見えるような気がしますね。そんなふうに感じました。

ショーゼン このほか、読みにくさを避けるためにスペースを空けることもありますよ。

怒り怨念 夜の九時には寝てしまう

のぞみ もしつながっていたら「いかりおんねんよるのくじ・・・・・・」になるから、ちょっと読みにくいですね。

ショーゼン 5・7・5のつなぎが漢字の連続で読みにくい場合は、このようにあえて意識してスペースを空けることもあります。また、ひらがなの連続、カタカナの連続も同じです。以下の場合にはとくに、効果的な「1字空け」が使えますよ。

1.場面転換
2.時間経過
3.字のつながりが読みにくい場合

 でもね、こういう小技はときどき使うのが効果的ですよ。驚きがなくなっちゃうからね(笑)

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