参議院選での自民党の大勝を受けて、WP社説(7月22日付)とWSJ社説(7月21日付)が、日本の経済改革に期待するとともに、それは安全保障にとっての貢献にもなり、防衛力増強は進めてほしいが、歴史問題など中国を刺激することは避けるべきだ、と論じています。
WP
問題は、参院選の勝利により衆参で多数派をとったという機会を、安倍総理がいかに使うかである。米国は、その答えに大きな利害関係を持つ。
安倍総理は、長期間停滞してきた日本経済を動かす政策を、巧みに遂行してきた。政府支出を増やし、通貨供給を増やすよう日銀を動かした。両者は人気のある政策だが、TPP交渉に参加することで、農村の支持者を疎外するリスクも冒した。
安倍総理のアドバイザーは、衆参のねじれの解消により、労働市場や農業部門を含む構造改革を進める上でアドバンテージを得るであろうと言った。多くのエコノミストは、これらが成長の維持に不可欠と見ている。多国間自由貿易交渉は、困難な改革について、安倍総理に政治的な援護を与えるかもしれない。
安倍総理は、2011年の地震と津波以降停止している原発の再稼働を進めるであろう。そして、集団的自衛権の行使を認めるよう、平和憲法の解釈を変更することを求めるであろう。
これらは全て、議論の分かれる問題だが、最も議論が分かれるのは、自民党右派が進めようとしている、歴史の見直しである。勝者による歴史が日本を不公平に扱っていると言う考えに、安倍総理が個人的には共感するとしても、政治的資本を、それに費やすことはないであろう、と安倍総理のアドバイザーは言っている。
米国は、それがその通りになることを望む。健全な日米同盟が、地域の安定にとって、最高の希望である。日米同盟は、日本経済の繁栄、そして、アジアにおける米国の他の同盟国、特に韓国と日本の関係に依存している。