2024年5月22日(水)

BBC News

2024年4月27日

アメリカのロイド・オースティン国防長官は26日、防空ミサイル「パトリオット」や砲弾をウクライナに速やかに届けるため「直ちに対応」する方針を示した。

アメリカ政府は24日、610億ドル(約9兆6000億円)規模の対ウクライナ追加軍事支援予算を成立させた。バイデン政権は同日にすでに、対空ミサイルや砲弾など10億ドル規模の緊急兵器支援を発表している。

これを受けてオースティン長官は26日、チャールズ・ブラウン統合参謀本部議長と共に記者会見し、ウクライナに対して単体としては過去最大となる60億ドル(約9460億円)規模の追加支援を発表。「パトリオット」迎撃ミサイル、中高度防空ミサイル・システム「NASAMS」用のミサイル、高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の弾薬、対ドローン・システム、相当量の砲弾などが含まれると説明した。

支援内容には、パトリオット・ミサイルの発射機は含まれていなかった。

オースティン長官はこの発表に先駆け、関連各国当事者の連絡会議「ウクライナ防衛問題コンタクトグループ会合(ラムシュタイン会合)」を主催。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領もオンラインで参加したという。

この会合の前にゼレンスキー大統領は、ロシアによる空からの攻撃の脅威が増している状況で、ウクライナはパトリオット・ミサイルを喫緊に必要としていると強調していた。パトリオット・ミサイルは「今すぐ人命を救えるし、そうなるべきだ」と、大統領は述べていた。

オースティン長官は今回の追加支援について、「(ウクライナが)必要とするのはパトリオットだけではない、ほかの防衛システムや迎撃ミサイルも必要だ。パトリオットだけを万能薬扱いするべきではない」と指摘した。

長官はさらにウクライナの状況について、「ウクライナと欧州とアメリカにとって、どういう危険が迫っているのかを理解する必要がある」、「もしプーチンがウクライナで勝利すれば、欧州は私たちが生まれてこの方、経験したことのない安全保障の危機に直面する。ロシアはウクライナでやめたりしない」と強調した。

アメリカが提供する援助がウクライナ軍を守るのかとの質問に、オースティン長官は、アメリカの取り組みは「具体的で現実的で相当」なものだが、「瞬時に実現するわけではない」と答えた。

「ウクライナに届いて配備されるには、それなりの時間がかかる。ウクライナ側はこれまでも、守りを維持してきた。追加の武器が手に入れば、ウクライナ軍はさらに良く戦える」とも、オースティン長官は話した。

ウクライナが現在保有するパトリオット・システムはわずかで、西側製の他の防空システムのほか、旧ソヴィエト連邦時代の地対空ミサイルシステム「S-300」の残りなどを使用し、ロシアの砲撃を防いでいる。

パトリオット・システム1基の値段は約10億ドル、パトリオット・ミサイル1発は約400万ドル。

ドイツはすでにパトリオット・システムの追加供与を約束しており、ドイツ政府は今月初めに他の欧州諸国にウクライナ支援を急ぐよう呼びかけた。

ただし、ギリシャ政府は自国のパトリオット・システムやS-300は自国の防空に不可欠で、ウクライナに回す余裕はないという姿勢。報道によると、スペイン政府はパトリオット用のミサイルを提供するものの、発射機などを含むシステムそのものは提供しないという。

(英語記事 Pentagon to 'rush' Patriot missiles to Ukraine in $6bn package

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cy0lrvmjk1mo


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