2024年5月22日(水)

BBC News

2024年4月27日

ファーガル・キーン、BBCニュース、エルサレム

パレスチナ自治区ガザ地区で、イスラエル軍の空爆で殺された母親の胎内から救出された赤ちゃんがその後、亡くなっていたことが、BBCの取材で明らかになった。

サブリーン・アル・サカニちゃんは21日未明、南部ラファの病院で緊急帝王切開によって生まれた。

医師たちは混乱する状況の中でサブリーンちゃんを取り上げ、手動ポンプで肺に空気を送り込んで蘇生させた。

しかし、サブリーンちゃんは23日に亡くなり、母親のサブリーンさんの横に埋葬されたという。サブリーンちゃんの名前は、母親をしのんで付けられていた。

サブリーンちゃんが亡くなったことで、20日夜の空爆で殺された子供の数は16人となった。この空爆では、子供たちが家族で住んでいた集合住宅が標的にされた。

イスラエル国防軍(IDF)は、この空爆でイスラム組織ハマスの戦闘員とインフラを標的にしたと説明している。

空爆で一家全滅、帝王切開で救出

母親のサブリーンさんは、空爆で大けがをした際、妊娠7カ月半だった。救急チームが現場にたどり着いた時、お腹の中の赤ちゃんはまだ生きていた。一方、サブリーンさんの夫と娘のマラクちゃん(3)は殺された。

救急チームは急ぎ母サブリーンさんを病院に運んだ。緊急の帝王切開手術が行われたが、サブリーンさんは助からなかった。

赤ちゃんの容体が安定した様子だったことから、赤ちゃんは保育器に入れられた。しかし医師はこの時、赤ちゃんの状態はまだ危険だと述べていた。

赤ちゃんの誕生時の体重はわずか1.4キロで、早産の結果、重度の呼吸窮迫(きゅうはく)の状態で生まれた。

ラファにあるエミレーツ病院の救急新生児チームを率いるモハメド・サラマ医師は当時、「まだ母親のおなかの中にいるべき時期なのに、この子はその権利を奪われた」と話していた。

赤ちゃんはその後、サブリーンちゃんと名付けられた。サブリーンちゃんの母方の祖母に当たるミルヴァト・アル・サカニさんはBBCに、生き残った家族がサブリーンちゃんを養子として引き取る予定だと語っていた。

ラファへの地上攻撃はあるのか

ハマスが運営するガザ地区の保健省によると、昨年10月7日以来、ガザ地区では3万4000人以上が殺害された。うち、少なくとも3分の2が女性や子供だという。

10月7日のハマスの襲撃では、イスラエル人や外国人など約1200人が殺された。大半が民間人だった。ハマスはさらに253人を人質としてガザ地区に連れ去ったと、イスラエルは述べている。

ガザ地区の住民は戦争の初期に、IDFから安全な南部に移動するように言われた。現在、ラファには推定140万人が押し寄せている。

しかし、イスラエルがラファへの地上攻撃を計画しているとの憶測が流れている。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ハマスの破壊と人質捜索のために、ラファへの攻撃が必要だと主張している。

最近公表された人工衛星画像には、ガザ南部の2カ所に新しいテント野営地が写っており、イスラエルメディアは、ラファから市民を避難させる準備が進んでいると報じている。

アメリカはイスラエルに対し、ラファへの本格的な侵攻を開始するのではなく、標的を絞った対応を求めている。

(英語記事 Baby saved from dead mother's womb in Gaza dies

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c1038r1pe0vo


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