2024年12月22日(日)

勝負の分かれ目

2024年2月20日

 魂がこもった約2時間半の熱演だった――。2014年ソチ、18年平昌でオリンピック(五輪)2連覇を果たしたプロスケーターの羽生結弦さんの初の単独ツアー公演「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2nd ”RE_PRAY” TOUR」が19日、横浜市・ぴあアリーナMMで千秋楽を迎えた。

まだまだパフォーマンスの向上を続ける羽生結弦(写真は2022年11月のアイスショー「プロローグ」。Kenta Harada / 特派員/gettyimages)

 昨年11月の埼玉、1月の佐賀、そして17日から始まった横浜を合わせた全6公演を全力で駆け抜けた。メディア公開された19日も、一瞬たりとも気を抜かず、精根を使い果たすほどのパフォーマンスで、ゲームの世界観を通じ、命についても問う壮大なストーリーを演じ切った。

「やっとノーミスでできた」

 あいにくの悪天候に見舞われた2月19日午後の横浜は、雨脚が強くなっていた。JR桜木町駅からぴあアリーナMMへと続く道を、多くのファンが歩みを進めていた。

単独公演ツアーの千秋楽には、多くのファンが駆け付けた(筆者撮影)

 その背中には「RE_PRAY」がデザインされたスカイブルーのパーカーが鮮やかな色彩を放つ。この日、羽生結弦さんの氷上でパフォーマンスをみようと、会場は満員の7000人が埋めつくした。

 プロジェクションマッピングなども駆使した演出の中、羽生さんはアンコールも含めた12の演目をときに情熱的に、ときにしなやかに、曲調に合わせた華麗なスケーティングで会場を沸かせ、そして魅了した。

 前半の最後には、試合さながらに6分間練習を入れ込み、このツアーから演じる新プログラム「破滅への使者」を披露した。トーループとサルコウの4回転を単発で決め、高さと幅のあるトリプルアクセルも2本跳んだ。

 競技会の枠を飛び出した4回転トーループからの5連続も鮮やかに回る。高難度で構成されたプログラムを、初めてノーミスで滑りきった。


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