2024年11月22日(金)

勝負の分かれ目

2024年2月20日

 本番ではその全てを出し切ってなお、自らの魂を注ぎ込む。だからこそ、スタミナが切れて、息が苦しくなる。ぜんそくの持病があるのに、お構いなしに削りきったスタミナをさらに絞り出して、滑り続ける。〝一期一会〟の会場で、最高のパフォーマンスを見せるためだ。

「オリンピックを超えた」

 この日も、「見てくださる方々が、本当にうれしそうな顔をしてくださっていたので、本当に頑張ってよかったなって思っています」と感想を漏らしたように、この思いこそが、圧巻のパフォーマンスを呼び込む原動力となっているのだろう。

羽生結弦さんの原動力は会場を満員にするファンたちだ(筆者提供)

 そして、羽生さんにとっても大きな達成感が得られた。それは、囲み取材で発した次の言葉に凝縮されている。

 「ある意味、自分の中でオリンピックを獲ったというぐらい、練習してきたことが達成できました」

 早くも「続編」「再編」を期待する声が上がる。「まだまだ進化し続けたいなと思っています」という飽くなき向上心は、きっとさらに高いレベルでのパフォーマンスへとつながっていくだろう。

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