2024年5月22日(水)

BBC News

2024年5月1日

スペインでこのほど、トラブルに見舞われた親族を装い、メッセージアプリ「ワッツアップ」のユーザーから多額の金をだまし取った疑いで100人以上が逮捕された。

スペインの警察によると、逮捕されたのは、詐欺行為で総額100万ユーロ(約1億6900万円)近くを不正に得た犯罪グループの一員。

地元紙エル・パイスによると、逮捕は2月から4月にかけて行われた。逮捕者全員が、詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)、犯罪組織の一員である罪で訴追されているという。

スペインのグアルディア・シビル(準軍事組織の治安警察)は4月30日、被害者らからの送金額は800ユーロ(約13万円)から最大5万5000ユーロ(約930万円)にわたると発表した。

アリカンテ県だけで少なくとも238人の被害が確認されたと、エル・パイスは報じた。逮捕はアリカンテ、バルセロナ、ジローナ、マドリード、マラガ、バレンシアの各県で段階的に行われた。

1月にはスペイン国家警察が、「トラブルに巻き込まれた息子などを装う」同様手口で46万ユーロ(約7700万円)以上をだまし取った犯罪組織メンバー59人の逮捕を発表していた。

単純な手口の場合、詐欺師は親戚のふりをして、緊急とみせかけて新しい番号から連絡し、送金を求める。

消費者団体「Which?」によると、詐欺師は携帯電話を紛失または破損したとし、銀行口座にロックがかかってアクセスできなくなったと主張することが多い。

より複雑な手口では、詐欺師は相手をだましてワッツアップ・アカウントの2段階認証コードを聞き出す。窓口担当者を装い、相手の携帯電話に誤って認証コード・リクエストを送信したと主張することもある。

一度アカウントにアクセスしてしまえば、親戚や友人に連絡して金銭を要求できるようになる。

イギリスでも同様の詐欺、関連は不明

こうした詐欺の被害は、イギリスでも確認されている。ノッティンガムシャー州の警察は昨年11月、犯罪者がワッツアップ・アカウントを操作して、アカウントに登録された連絡先を狙っているとの報告の「急増」が記録されたことを受け、警告を発した。

英全国不正行為情報局(NFIB)の通報サイト「Action Fraud」によると、犯罪者が愛する人を装い、トラブルに巻き込まれて困っていると連絡をしてきたとの報告が2022年2月3日から6月21日までの間に1235件寄せられた。これは、スペインで同様の詐欺が出現し始めたのとほぼ同時期で、被害総額は150万ポンド(約2億9500万円)に上る。

スペインとイギリスでの詐欺事件に関連があるのかは分かっていない。

(英語記事 WhatsApp scam: More than 100 arrested in Spain for 'son in trouble' fraud

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cn0vlvdz9y9o


新着記事

»もっと見る