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2014年1月13日

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均質化の欲求から脱却ができるのか

 均質化した組織で効率を上げる取り組みが日本では21世紀に入ってから加速している。安定雇用を維持して成長を続けながら、異質な考えを取り入れて内部も変質するには勇気が要る。日本企業にはその勇気がなく、異質なモノは非正規雇用やアウトソースで行って、コストを管理することで効率をひたすら追い求めている。

 均質な組織を見直し、異なるプロを同居させ、雇用体系も複線化するような設計を敢えて避けてきたのは、工業化社会で日本の高度成長が成り立っていた自信の裏返しでもあろう。

 脱工業化社会が1960年代に主張され、日本でも当時の通商産業省に、情報処理産業を育成すべく情報処理振興課の原点となる部署が44年前設置された。情報化社会という言葉が政府の委員会で使われたのも世界に先行したと聞く。

 しかしながら、世界を先取りして成長してきた日本は、いつの間にか江戸幕藩体制のように藩=企業組織の安寧を第一に経済成長モデルを考えるようになった。そのため、脱工業化社会の旗印であった情報産業も、工場や製品のシステム化などに終始し、情報そのものに価値を見出す新しい産業が日本からは生まれなかったというと言い過ぎであろうか。

 フリーエージェントの時代は欧米が先行している。日本で行き詰まったモデルを抱える産業でも雇用を確保し、賃金をアップすることを強いられると、企業は成長できない。職場にしがみつく労働者も益々クラウド資本主義下で、収益を出しにくい労働者として据え置かれる危険がある。

◆WEDGE2013年12月号より










 

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