パリ・パラリンピックは競技7日目の4日、競泳女子で100メートル自由形(視覚障害S12)の辻内彩野と、200メートル個人メドレー(知的障害)の木下愛萊(あいら)が、ともに銅メダルを獲得した。競泳女子の日本勢としては今大会初のメダルとなった。(※障害のクラス分けについてはこちら)
辻内は後半で3人を抜く
100メートル自由形の辻内は2大会連続出場。この日の決勝は序盤から接戦となり、辻内は50メートルを6番手で折り返した。
後半は伸びのある泳ぎでぐんぐん順位を上げ、もう少しで2番手をとらえるというところでフィニッシュ。銅メダルを決めた。タイムは1分1秒05だった。
金メダルはブラジルのマリア・カロリナ・ゴメス・サンティアゴ、銀メダルはウクライナのアンナ・ステツェンコが獲得した。
辻内は表彰式後のインタビューで、「このクラスになってメダルが取れる位置にいて、自分では感じ取らないようにしていたプレッシャーをどうしても感じ取ってしまうものがあったんですけど、無事にメダルが取れた」と笑顔を見せた。
そして、「メインの種目が50から100メートルに変わったりとかで頭の中が大パニックを起こしていた状態だったんですけど、何とか今日メダルを取れたことで、この3年間やってきたことが報われたのかなと思っています」と話した。
所属する三菱商事のウェブサイトなどによると、辻内は幼少時に水泳を始め、大学生のとき進行性の黄斑ジストロフィーと診断されパラ競泳に転向。日本記録を次々と更新してきた。
18歳木下が初出場で銅メダル
木下はパラリンピック初出場で、200メートル個人メドレーの決勝に進出した。
最初のバタフライは5番手でターンし、背泳ぎで順位を一つ上げて後半に入った。
続く平泳ぎでも追い上げて3番手に上がると、最後の自由形は力強い泳ぎで後続との差を広げ、銅メダルを勝ち取った。タイムは2分25秒96だった。
金メダルは中立のパラリンピック選手(NPA)として出場しているワレリア・シャバリナが2大会連続で手にした。銀メダルはイギリスのポピー・マスキルが獲得した。
表彰式後のインタビューで木下は、銅メダルを手にしたことについて、「いまはすごくうれしいです」、「この種目が終わるまでは精神的にきつい部分もあったんですけど、無事にメダルが取れてよかったなと思います」と話した。
今後100メートル背泳ぎにも出場予定となっていることについては、「今日のうれしい気持ちからまた切り替えて、次は楽しくレースしたいと思います」と笑顔を見せた。
所属する三菱商事のウェブサイトによると、現在18歳の木下は2歳のときに水泳を始め、2022年から本格的にパラ競泳の大会に出場。多くの種目で日本記録やアジア記録を更新してきた。
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