2024年9月4日(水)

BBC News

2024年9月4日

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2日夜、モンゴルを訪問した。国際刑事裁判所(ICC)が昨年プーチン氏の逮捕状を出して以降、同氏がICC加盟国を訪れたのは初めて。

プーチン氏は3日、モンゴルの首都ウランバートルのチンギス・ハーン広場で行われた豪華な式典に臨み、ウフナーギーン・フレルスフ大統領の歓迎を受けた。式典では騎馬隊が並び、楽団が演奏した。

プーチン氏に対しては、オランダ・ハーグに本部を置くICCが昨年3月に逮捕状を出している。2022年2月24日のウクライナ全面侵攻開始以降に、同国の子どもたちを違法にロシアに強制移送した戦争犯罪の疑いがあるとしている。

ICCの加盟国は、逮捕状が出ている容疑者を拘束することが求められている。だが、それを強制する仕組みはない。

モンゴルはICC加盟国だが、プーチン氏が同国を訪問中に逮捕される心配はないと、ロシア大統領府の報道官は話した。

ICCは先週、加盟国には行動を取る「義務」があると表明。一方、モンゴルはこれに反応を示していない。

今回の訪問を前に、ウクライナ外務省はテレグラムに、「モンゴル当局が国際逮捕状に従い、プーチンをハーグの国際刑事裁判所に移送するよう求める」と投稿した。

ロシアはこれまで、ICCの主張を不当だとし、逮捕状は「言語道断」だとしている。

小規模な抗議デモも

チンギス・ハーン広場には2日午後、少数の抗議者が集まり、「戦争犯罪人プーチンをここから追い出せ」と書いた表示物を掲げた。

3日昼にも、ウランバートルにある政治的に抑圧された人々のための記念碑付近で、抗議デモが予定された。この記念碑は、旧ソヴィエト連邦の支援で数十年続いた社会主義政権時代に迫害された人らを顕彰するもの。

ほかにも抗議者はいたが、治安部隊がプーチン氏に近づけないようにした。

旧ソ連の衛星国だったモンゴルは、1991年のソ連崩壊以降、ロシアとの友好関係を維持してきた。

ロシアのウクライナ侵攻を非難せず、国連でのロシア非難決議の採択も棄権した。

モンゴルは、ガスや電力をロシアに依存している。両国は長年、ロシア・ヤマル地区からモンゴルを通って中国へと続く天然ガスパイプラインの建設を協議している。

「シベリアの力2」として知られるこのプロジェクトは、ウクライナ侵攻を受けてロシア資源のボイコットが広まり、ヨーロッパでのガス販売が落ち込んだのを補うロシアの戦略の一部。

(英語記事 Putin welcomed in Mongolia despite ICC arrest warrant

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cd73wrejvrvo


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