2024年9月4日(水)

BBC News

2024年9月4日

米司法省は3日、昨年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを襲撃したことなどをめぐり、ヤヒヤ・シンワル最高指導者をはじめとするハマス幹部6人を起訴したと明らかにした。幹部らを米国人の殺害、テロ資金提供の共謀、大量破壊兵器の使用など7件の罪に問うとした。

起訴は、ハマスによる数十年にわたる攻撃と、約1年前の襲撃を対象としている。

これは、米司法当局がイスラエル襲撃の首謀者の責任を追及する第1段階となる。ただし、起訴状に名前が挙げられている人物のうち、最多で3人が死亡している。また、シンワル最高指導者はパレスチナ自治区ガザ地区の地下にあるトンネルに隠れていると考えられている。

メリック・ガーランド司法長官はビデオ声明で、被告らは「アメリカ市民を殺害し、アメリカの安全を危険にさらす数十年にわたる活動に資金を提供し、指揮した」責任があると述べた。

また、「イスラエル国家を破壊し、そのために民間人を殺害するというハマスの活動を主導した」としている。

ガーランド長官はさらに、昨年10月7日の襲撃は、「ホロコースト以来のユダヤ人の大量殺害」であり、「1200人以上を殺害した」と指摘した。

「被告人らは高齢者を殺害し、幼い子供たちを殺害した。レイプや性器切除など、女性に対する性的暴力を武器にした」

起訴されたのはシンワル最高指導者のほか、元指導者のイスマイル・ハニヤ、軍事部門の副指導者だったマルワン・イッサ、ガザとヨルダン川西岸地区以外でハマスを率いるハレド・マシャール、軍事部門トップだったモハメド・デイフ、アリ・バラカの各被告。

公共の場所を爆破し死者を出すことの共謀、テロリズムに資金を提供することの共謀、死をもたらすテロ行為への物質的支援などの容疑がかけられている。

司法省の起訴状には、「被告は全員死亡しているか、逃亡中である」と記されている。

ハニヤ被告とイッサ被告、デイフ被告の3人はここ数カ月で、イスラエルによる攻撃で死亡したと報告されている。

ガーランド長官は声明の中で、昨年10月7日の襲撃で殺害された42人と人質として拘束された10人のアメリカ国民に加え、先週殺害されたアメリカ系イスラエル人の人質ハーシュ・ゴールドバーグ=ポリンさん(23)について言及した。

「我々はハーシュさんの殺害、そしてハマスのアメリカ人に対する残忍な殺人の一つ一つを、テロ行為として捜査している」

有罪となった場合、被告らは最高で終身刑または死刑判決を受けることになる。

匿名の司法相関係者は、BBCがアメリカで提携するCBSニュースに対し、起訴状は今年2月に提出されたものの、アメリカが被告のいずれかを逮捕する機会があった場合に備えて、3日まで非公開にされていたと述べた。

アメリカのジョー・バイデン大統領は先週末、ハマスによるゴールドバーグ=ポリンさんの殺害を非難し、「非難されるべきであり悲劇的なことだ」と述べた。

「間違いなく、ハマスの指導者たちはこれらの犯罪の代償を払うことになる」とバイデン氏は述べた。

ハマスは昨年10月の襲撃で約1200人を殺害し、251人を人質として連れ去った。これを機に始まったイスラエルの軍事作戦により、これまでに4万人以上のパレスチナ人が殺されたと、ハマスが運営するガザ地区の保健省は発表している。

(英語記事 US charges Hamas leaders over 7 October attack on Israel

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c36nykyle81o


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