国連はこのほど、イスラエルがシリアとの非武装緩衝地帯沿いで建設活動を行い、50年前の停戦合意が「深刻な違反」を受けていると指摘した。
占領下のゴラン高原にある両国の境界線で、緊張が高まるリスクがあるという。
人工衛星写真には、兵力引き離し地域(AOS)として知られる地帯に沿って、過去数カ月の間に新しく掘られた塹壕(ざんごう)や土手が写っている。
BBCは、マジャル・シャムスの町付近で進められている建設工事や軍用車両の様子、さらに南の農村地帯で新たに作られた土手の様子を撮影した。
こうした作業は、イスラエルが管理する地域内で行われているとみられる。
国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)は、イスラエルの建設工事のほとんどはAOSを侵害していないが、戦車を含む軍用車両の保護の下で掘られたいくつかの塹壕が、不武装地帯に侵入している。
また、イスラエル軍の車両と人員も、緩衝地帯に入っているという。
イスラエル国防軍(IDF)のナダフ・ショシャニ中佐はBBCに対し、この塹壕はイランが支援するシリア組織の侵入を防ぐためのもので、停戦合意に違反していないと話した。
ルーシー・ウィリアムソン中東特派員が報告する。