2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年3月3日

 1月17日付け米ブルッキングス研究所のサイトで、Richard C. Bush III同研究所北東アジア政策研究センター所長は、2013年12月の安倍総理の靖国参拝を受け、中国は従来通り厳しい対応をするだろうが、米国にとって日中は共に重要な国であるので、米国は慎重に対処すべきである、と述べています。

 すなわち、中国は、日本の総理が靖国神社を参拝するたびに、それを攻撃してきた。今回もそうである。結果として、日中間の緊張は高まった。安倍総理にその意図はなかったとしても、結果はそうである。

 中国は厳しい非難をしながらも、今のところ、対応は抑制されたものとなっている。反日デモもないが、中国人が一人もデモをしたがらないとは考えられない。

 では、中長期的にはどうなるのだろうか。2001年~2006年に小泉総理が何回も靖国参拝した時を思い出せば分かる。日中関係は、凍結され、中国は、一連の政治的措置を取った。中国は、おそらく同様の政策をとるだろう。それは、香港最後の総督パッテン氏や台湾の李登輝元総統や陳水扁元総統に対しても行われた。考えられる内容は以下のようなものである。

・安倍総理を悪く言い、中国要人との外交接触を最小限にする。

・日本の利益となる政府間協力を凍結する。

・中国との関係改善の条件を提案してくる(例えば、総理が靖国参拝しない約束を取 り付ける)。

・尖閣諸島等、摩擦が生じている事項に関して、日本に圧力をかける。

・安倍総理に批判的で親中的な勢力に働きかける(例えば、親中政治家や中国との貿易に依存している財界等)。

・日米間及び日韓間に楔を打つ。

・国際舞台(例えばアフリカ)で、日本と激しく競争する。

・安倍氏が総理を辞任するまで待つ。


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