アメリカのドナルド・トランプ大統領は18日、サウジアラビアの事実上の支配者ムハンマド・ビン・サルマン皇太子をホワイトハウスに迎え入れた。大統領は、2018年にサウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショジ氏が殺害されたことについて、皇太子は「何も知らなかった」のだと、従来の米情報機関の調査結果とは食い違う見解を記者団に示した。
カショジ氏が2018年にトルコ・イスタンブールのサウジアラビア領事館で死亡したことをめぐっては、米情報機関がジョー・バイデン政権下の2021年、国家情報長官事務所(ODNI)の報告書を公表。その中でムハンマド皇太子は、カショジ氏の「拘束または殺害」計画を承認していたと結論づけられた。
皇太子は一切の不正行為を否定している。
トランプ政権は1期目(2017年1月から4年間)、この報告書の公表を拒んでいた。
カショジ氏の殺害はアメリカとサウジアラビアの関係に衝撃を与えた。事件以降、皇太子による訪米は初めて。
ホワイトハウスの執務室に集まった記者団の一人が皇太子に、カショジ記者殺害のほか、多数のサウジアラビア人が実行犯となった2001年9月11日の米同時多発攻撃に言及し、「なぜアメリカ人はあなたを信用すべきなのか」と尋ねると、トランプ氏は記者の所属を問いただし、ABCニュースだと知ると「ABCはフェイクニュース」だと攻撃した。
さらに、「そのような質問をして客人に恥をかかせるな」と非難した。
すると皇太子は、自分への質問に自分で答えさせてもらいたいと言い、9/11を計画した故オサマ・ビン・ラディン容疑者はサウジアラビア人を利用して、アメリカとサウジアラビアの強固な関係を壊そうとしたのだと述べた。
カショジ記者殺害については、サウジアラビアは事実関係の調査において「正しい手順をすべて踏んだ」と発言。殺害については、「つらい」ことで「大変な間違い」だと述べた。
