2025年12月9日(火)

BBC News

2025年11月19日

レバノン南部シドン市アイン・アル・ヒルウェ地区のパレスチナ難民キャンプの入り口に緊急車両が集まった

レバノン南部のパレスチナ難民キャンプ付近で18日、イスラエル軍の空爆があり、少なくとも13人が殺害され、同4人がけがを負った。レバノンの保健省が発表した。

イスラエル軍は、「アイン・アル・ヒルウェ地区の(中略)訓練施設で活動している」パレスチナ武装組織ハマスのメンバーを狙って攻撃したと明らかにした。

同地区はレバノン最大のパレスチナ難民キャンプ。同軍は、ここをハマスが、対イスラエル攻撃の計画と実行に使っていたとした。

ハマスはこれを「でっち上げでうそ」だと否定。攻撃を非難し、「レバノンのパレスチナ人キャンプに軍事施設はない」とした。また、標的とされた場所は「スポーツのためのオープンフィールド」だと説明した。

空爆があった場所で撮影されたとみられる、インターネットの画像や映像では、アイン・アル・ヒルウェの入り口に緊急作業員らがいる。大きな煙が上がるなか、密集状態のキャンプの狭い通りを救急車が駆け抜けている。

初期の報道によると、空爆はモスク(イスラム教の礼拝所)付近であった。このモスクは通常、夜間は混雑しているとされる。

イスラエル軍は、「空爆に先立ち、精密弾の使用、空中での監視、追加の情報収集など、民間人に危害が及ぶ可能性を低減させる措置をとった」とした。

イスラエルは、イランの支援を受けるレバノンの武装組織ヒズボラとの間で紛争終結で合意して以来、レバノンをたびたび空爆している。ほとんどはヒズボラを狙ったものだが、同国にいるハマスも攻撃対象にしている。

イスラエルとヒズボラの戦闘は、2023年10月7日のハマスによるイスラエル南部襲撃の翌日に、レバノンのグループがイスラエルの拠点にロケット弾を発射したことでエスカレートした。ヒズボラは、パレスチナ・ガザ地区のパレスチナ人と連帯して行動を取っているとした。

イスラエルとヒズボラは13カ月にわたって戦い続け、2024年10月にはイスラエルが激しい空爆とレバノン南部への地上侵攻に乗り出した。

レバノン当局によると、イスラエルの攻撃で、多くの民間人を含む4000人近くが殺害され、120万人以上が避難した。イスラエル当局は、戦闘によって、兵士80人超と民間人47人が殺されたと発表した。

(英語記事 Lebanon says Israeli strike killed 13 people near Palestinian refugee camp

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cp8e0glp6vyo


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