ミス・ユニバース世界大会の審査員2人が、21日の開催を目前に辞任した。そのうち1人は、主催者が選考過程を不正に操作したと非難している。
レバノン系フランス人の音楽家オマル・ハルフーシュ氏は18日、8人で構成される審査団からの辞任をインスタグラムで発表。別の「即席の審査団」が大会に先立ち、ファイナリストを事前に選出していたと主張した。
この数時間後、フランスのサッカー指導者クロード・マケレレ氏も、「予期せぬ個人的な理由」によって辞任したと発表した。
ミス・ユニバース世界大会をめぐっては数週間前、今年の開催国タイの運営責任者が事前説明会でメキシコ代表を公然と叱責(しっせき)し、各国の代表たちがこれに抗議して集団で退席する事態となった。
ハルフーシュ氏は、「即席の審査団が、136の参加国から30人のファイナリストを選ぶために結成された。そこには、私を含む本来の審査員の誰も出席していない」と、インスタグラムに投稿。また、この情報をソーシャルメディアを通じて知ったとしている。
同氏は、この非公式の審査団について、「一部のミス・ユニバース出場者との個人的な関係により、重大な利益相反の可能性を抱える人物たち」で構成されていると主張した。
一方でこの「即席の審査団」がどのように機能するのか、またどのように公式審査団の決定を覆すのかについては詳しく説明しなかった。
これに対し、ミス・ユニバース機構(MUO)は18日、ハルフーシュ氏の主張を退ける声明を発表。「代表を評価したり、ファイナリストを選出したりする権限を与えられた外部グループはない」と述べた。
MUOは、ハルフーシュ氏が言及したのは「ビヨンド・ザ・クラウン」プログラムの可能性があると示唆した。これはミス・ユニバース大会とは独立して運営される「社会的影響力の取り組み」で、別の選考委員会を持つ。
MUOは、17日に「ビヨンド・ザ・クラウン」の選考委員会を発表している。18日の声明でMUOは、ハルフーシュ氏の主張がこのプログラムを「誤って伝えている」と述べた。
一方、やはりインスタグラムで辞任を発表したマケレレ氏は、「難しい決断」だったと表現した。
「私はミス・ユニバースを最高に評価している。このプラットフォームはエンパワーメント、多様性、卓越性を象徴しており、これらは私がキャリアを通じて常に支持してきた価値だ」と同氏は記した。
今年の大会を運営するタイのナワット・イサラグリシル氏(60)は今月4日、ミス・メキシコのファティマ・ボッシュ氏(25)がプロモーション用コンテンツを投稿しなかったことを、各国の代表が集まった場所で批判した。
ボッシュ氏が抗議しようと立ち上がると、ナワット氏は警備員を呼んだ。こうした状況に、各国の代表らも立ち上がり、次々に退室しようとした。するとナワット氏は「座れ」と声を荒らげ、席に戻らなければ失格にすると代表者たちを脅した。
ナワット氏はその後の記者会見で、自身の発言の一部が誤解されたと主張したが、MUOはナワット氏の行為を「悪意のあるもの」と非難。大会運営を引き継ぐため、国際的な幹部からなる代表団を現地に派遣した。
ナワット氏は、その後謝罪した。
(英語記事 Two Miss Universe judges quit scandal-hit pageant, as one claims it's rigged)
