世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年8月6日

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 しかし、中国が十分に海外の専門技術を活用するには、意識改革が必要であろう。すなわち、海外企業家を暴利貪る不当利益者としてではなく、パートナーとして見直すことだ、と述べています。

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 シェールガス開発に関する米国の技術協力から、米中間の新たなる戦略パートナーシップ構築に至る可能性を説いた論説です。

 論説が描く、中国のシェールガス事情に関するワシントンの有識者の見解は、概ね一致しています。政治力を駆使して開発鉱区や採掘権を獲得した中国大手国営石油会社には、水不足など中国特有の問題を解決する技術がありません。他方、米国の先端技術を使えば、水を使わない工法も可能になります。ハリバートン社などは水の再利用工法を確立しています。水の代わりに二酸化炭素を用いることは、米国では採算性が合いませんが、中国においては選択肢となるでしょう。しかし、ハーマンが例に挙げているLPGとなると、高度な熟練エンジニアによる細心の管理が必要で、さもないと爆発や火災を引き起こします。技能習得目的もあり、中国の石油会社は、ここ数年こぞって米国内のシェールガス開発に投資しており、米貿易開発庁(USTDA)は自国の関連先端石油開発企業との橋渡しをしています。

 日本にも出来ることはあります。四川省は地震多発地帯で、人口密集地での掘削は、爆発や火災、断層破壊などから大災害につながる危険もあります。そこで、日本の防災・減災の技術や経験が活かされる余地もあるでしょう。こうした、ビジネスの視点から日中交流を深める議論が、日本でも深まることが望まれます。

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