9月16日の欧州議会における演説で、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長はカナダとの欧州連合(EU)の関係を「準加盟」に高めたいと語り、カナダのカーニー首相はこれを歓迎した。9月17日付けフィナンシャル・タイムズ紙の解説記事は、「この提案にはEUおよび加盟国に種々批判があり、この先、障害は大きそうだ」と報じている。概要は次の通り。
フォン・デア・ライエンがカナダをEU初の「準加盟国」にするという大胆な提案を行ったことで、欧州議会議員からはスタンディングオベーション、マーク・カーニーからは温かい抱擁を受けた。
しかし、鳴り響く拍手喝采とは裏腹に、ベルリンその他の加盟国政府は、存在しないだけでなく彼女には与える権限もないものを彼女が約束したことに、全く感心してはいない。ドイツ政府の報道官は、ベルリンはカナダとの「新たなパートナーシップのモデルを議論する」用意はあるが、「準加盟国」という用語は「再考」すべきだと即座に述べた。
カーニーは、首相に就任後すぐに欧州を訪問し、カナダを「非欧州諸国の中で最も欧州的な国」だと宣言した。トランプ政権との関係が悪化するにつれ、EUとの関係強化に向けたカーニーの取り組みはここ数カ月加速している。5月にはアルメニアのエレバンでの欧州政治共同体(EPC)首脳会議の傍らで、カーニーとフォン・デア・ライエンは「準加盟(associate membership)」の概略を話し合った。
フォン・デア・ライエンは9月16日の演説で、「要するに、我々はカナダとの関係を可能な限り高い水準に高めたいと考えている」と述べ、「我々はパートナーシップを早急にもう一度考え直さねばならない。ゆえに、カナダがEUの最初の準加盟国となる扉を開くことについて、議員の皆さんと協力していきたい」と述べた。
演説に先立ち意見を求められた加盟国の大使の多くは、カナダとの関係を大幅に強化することに慎重な姿勢を示し、2017年のカナダとの貿易協定(CETA)が完全には履行されていないこと、他の重要なパートナーよりもカナダを優先することのリスク、そしてトランプを挑発する危険性に言及した。
加盟各国は、ウクライナに「準加盟」のような地位を与えるというドイツの提案を5月に退けた経緯もある。
フォン・デア・ライエンの側近の中にも懐疑的な声があった。貿易担当の欧州委員マロシュ・シェフチョヴィチは、ノルウェーやスイスのようなパートナーは、EUのルールに従いEUの共通予算への拠出さえ行っているのであり、カナダを特別扱いすることはない、と述べた。
