2024年7月15日(月)

Wedge REPORT

2014年9月3日

 通販サイトの売上高シェアは、アリババが運営する「天猫」(Tモール)が52.4%で1位。次いで、京東商城の「JD.com」が18.7%、日本の家電量販店ラオックスを買収した蘇寧雲商(旧蘇寧電器)の「蘇寧易購」が3.5%で後を追う。

 2位の京東商城は、5月に米国ナスダック市場に上場した有力企業の一つだが、3月にテンセントから15%(約220億円)の出資を受け、テンセントの傘下に入っている。つまり、中国のネット通販市場は、アリババとテンセントのバトルでもあるのだ。

外部委託か自社物流か

 しかし、1位のアリババと、2位のテンセント系・京東商城の戦略は、ラスト・ワン・マイルの攻め方に違いが表れている。

 アリババのラスト・ワン・マイルはこれまで、日本のネット通販会社と同様、既存の大手宅配会社に委託してきた。中国の物流事情に詳しい名城大学の謝憲文教授は「自前で整備するよりも、第3者を利用することで、コストを下げようとしたのだろう」と推測するが、急激な荷量の拡大に宅配会社側が対応しきれず、配送時間の遅れなどサービス低下が問題に。謝氏は「外部委託が限界に達していたのではないか」と話す。

 こうした中、独自路線で経営基盤を固めてきたのが、京東商城だった。もともと「家電専門から出発し、ネット通販参入後に百貨店化した」(謝氏)という同社の戦略は、ラスト・ワン・マイルを外部委託ではなく、自社で築くことにあった。

 謝氏の調べでは、同社は09年からの5年間に計約93億元(約1540億円)を自社物流の整備に投資した。結果、3月末の時点で、中国36都市に物流センターを7個、倉庫を86個。495都市に1420カ所の配送センターと、214カ所の集荷センターを置き、2万人以上の配送スタッフを抱えるに至った。そして、こうした自社物流を武器に、当日午前11時までに注文した商品を当日中に配送するなどの速達サービスを打ち出し、他社との差別化を図っているという。謝氏は「京東商城がネット通販2位まで成長したのも、自社物流を築いたことに勝算があった」と分析する。

 ラスト・ワン・マイルを自社化する傾向は他社でも見られ、ネット通販3位の「蘇寧易購」を運営する、中国家電量販店最大手の蘇寧雲商も15年までに自社物流を整える計画という。


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