2024年11月22日(金)

炎上?感動?ネットで話題のニュース

2014年9月6日

 また賛成派である出口氏から規制の理由について、ほとんどの人は犯罪を起こさないが、一部には一般の人と異なる認知をする人がいて、そういった人を刺激しないために規制は必要だと語られた。一方で反対派からの意見も、もちろん放送されている。たとえば、江川氏がコメントしたのは、規制を法で行うのは間違いで、悪い漫画は良い漫画が世の中に増えることで抑止していくべきであり、「(ロリコン推奨ばかりではなく)いい大人の女が出てくる漫画を描くべきだ」というもの。

アニメファンの反応は過剰? 妥当?
犯罪が起こるたびに始まる「アニメ規制論」

 殺害予告の大量ツイートに関しては、ネット上でも「こういうキチガイのせいで規制の流れになるんだろアホか」「アニメを規制するんじゃなくてアニオタを規制すればいいんじゃね?」「アニオタの幼稚さってなんなんだろう」といった批判的なコメントがあった。

 ただし、殺害予告に批判的なコメントでも、放送がアニメファンに偏見を持つ内容であることは前提としていると思われるものも多い。また一方では、「(殺害予告ツイートは、アニメファンの立場をさらに悪くするための)テレビ局側のやらせじゃねえのw」と、テレビ局の陰謀論を唱える声もあった。

 前述の通り、討論の内容自体は、賛成派が不勉強な点を突かれていた点も放送されており、少なくとも一方的に反対派がやりこめられる展開ではなかった。それにもかかわらず、ネット上でアニメファンたちが反発した背景には、マスコミのこれまでの報道への不信感や、「マスコミは自分たちに対して偏見を持ち、迫害しようとしている」という思いがあるのだろう。

 今年1月に札幌市で小学3年生の女児が26歳の男に監禁された際、男が「少女漫画を持った不審な男がいる」という通報があったことが報道されたが、この際にもネット上では「少女漫画を買っただけで不審者なのか」「女児に読ませようとしただけなのかもしれないのに、アニメファン=不審人物のよう」といった内容の戸惑いの声が聞かれた。

 7月に起こった岡山少女監禁事件では、犯人の49歳の男の部屋は壁一面少女アニメのポスターでいっぱいだったという報道がなされ、「なぜ報道でポスターばかりを強調するのか」という声があがった。

 犯罪が起こるたびにアニメ規制が取りざたされることに、アニメファンはうんざりしているのだろう。ただ、「殺害予告」といった手段を取ってしまうと、それは逆効果になりかねない。誰が最初の発信者かわからない大量のツイートは、江戸時代に筆頭者を判別できなくする目的で行われた傘連判状を連想させるが、ネット上への殺害予告の書き込みでは、これまで逮捕例がいくつもある。

 「TVタックル」出演者の一人、岡田氏は騒動後に、「TVタックル関係者に殺害予告のツイートした人、話を聞きたいから僕に会いに来ませんか? 誰にも言わないし、会ったことも話した内容もナイショにするよ」と呼びかけ、自身のメールアドレスを公開している。このツイートは5日までに660回以上RTされている。呼びかけは「本人」に届くだろうか。

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