2024年6月20日(木)

Wedge REPORT

2014年12月8日

 高齢者が定年退職後も仕事をする理由は、「経済上の理由」が圧倒的に多い。都内のハローワークで職探しをしていた小林武男さん(65歳)に働く理由を尋ねると、「やりがいなんて言ってられませんよ。食べていくために働くんです。家賃支払いなどを考えると、夫婦合わせて月20万円程度の年金だけで生活していくのは難しい。退職金1600万円もどんどん減っています」と教えてくれた。

 「健康のために働く」という高齢者も多い。青木さんと同じ風月の店舗で働く藤村一男さんは今年73歳になるが、「何もやらず、家でボーっとしているのは精神衛生上良くない、健康のために働いています」と教えてくれた。

 「最近、定年撤廃を掲げる企業が増加しています」(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の堤隆之氏)。今年4月、介護業界2社が定年撤廃を宣言した。そのうちの1社、メッセージのレジデンス型介護付き有料老人ホーム、アミーユレジデンス野川(川崎市)を訪れると、看護師の堀越とし江さん(73歳)が、軽い足取りで施設内の部屋を巡回し、手際よく仕事をこなしていた。その姿は高齢であることを忘れさせるが、昨年2月に左脚の大腿骨を骨折したという。2カ月間休暇を取ったが、今ではフルタイムで働いている。

介護施設で働く堀越とし江さん(73歳)

 聞けば65歳まで伊豆の病院で、部下300人を束ねる看護部長を務めていたという。定年退職後も「日々のお米代を稼ぐため」(堀越さん)に働いている。年金だけでは、日々の生活、今後の蓄えとして心許ないそうだ。

 同じく介護業界のケア21も今年4月に定年撤廃を決断した。「定年撤廃は介護現場で働くパートタイマー、登録型ヘルパーだけでなく、オフィスで働く社員にも適用されます」(総務人事部長の余田達也氏)。

同じ介護施設で働く藤川忠志さん(70歳)

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