プロ野球の年間王者を決める「SMBC 日本シリーズ2024」は、セ・リーグのDeNAベイスターズが、パ・リーグ覇者のソフトバンクホークスを4勝2敗で下し、26年ぶり3度目の日本一に輝いた。レギュラーシーズンはリーグ3位で貯金わずか2だったDeNAが、貯金42と圧倒的な強さでパを制したソフトバンクに勝利する下剋上。短期決戦の怖さをまざまざと見せつけた勝負の分かれ目は、「シリーズ男」「指名打者(DH)」「継投策」にあった。
史上最低勝率の「日本一」
「最高にうれしいです」
歓喜の横浜スタジアムで、DeNA・三浦大輔監督が夜空に5度、宙を舞った。
名将・三原脩監督が率いた1960年、マシンガン打線が売りだった98年に次ぐ3度目の日本一。生え抜き監督の指揮官は、98年の現役時代と合わせ、選手、監督としてチームの日本一を経験した。
レギュラーシーズンは71勝69敗3分。勝率・507で優勝した巨人にゲーム差8をつけられての3位だった。クライマックスシリーズ(CS)第1ステージで同2位の阪神に2連勝を飾ると、巨人が1勝のアドバンテージを持つ最終ステージは3連勝の後に2連敗し、最終戦にもつれる大熱戦。最後の第6戦も1点差で接戦を制した。
今季の日本シリーズは、第5戦までDeNA、ソフトバンクともに本拠地で勝てない異例の“外弁慶シリーズ”となった。DeNAは本拠地で2連敗した後、敵地で3連勝。日本一に王手をかけて舞い戻った横浜で、大量11得点を奪って11―2で圧倒した。ようやく手にした本拠地での白星で日本一を決めた。