2024年11月21日(木)

勝負の分かれ目

2024年4月19日

 米大リーグ、ジャイアンツからフリーエージェント(FA)となっていた筒香嘉智外野手が古巣・DeNAベイスターズに復帰することが決まった。球団が16日、正式に発表した。

 筒香選手は2019年オフにメジャーに挑戦し、レイズへ移籍。思うような結果を残せず、近年はマイナーや独立リーグでのプレーが続いた。ドジャースの大谷翔平選手を筆頭に、大型契約を勝ち取る日本人選手がいる一方、今季からメッツに移籍したメジャー2年目の藤浪晋太郎投手、日本ハムからポスティングシステムでメジャー挑戦した上沢直之投手はマイナースタートとなった。

DeNAへの復帰により日本球界へ戻ってくる筒香選手。メジャーでの活躍に何が足りなかったのか?(USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 「実力社会」でもあるメジャーは、同時に「契約社会」でもある。実力次第で夢もビッグマネーも手にできる“アメリカン・ドリーム”が目前にあっても、すでに体現した成功者たちが好待遇での契約を勝ち取っており、そこに割って入ることは容易ではない。立ちはだかるのは「契約の厚い壁」だ。

厳しい「40人枠」

 筒香はオフにジャイアンツとマイナー契約を結び、今年のメジャーの春季キャンプには、招待選手として参加した。メジャーでは春季キャンプからオープン戦にかけ、2つの契約形態の選手たちが参加する。

 一つは「メジャー契約」の選手。もう一つは「マイナー契約の招待選手」である。大きな差があるのは、メジャーに詳しい読者ならご存じだろう。

 各球団がメジャー契約を結ぶことができるのは40人。そして、40人枠のうち、メジャーの公式戦に出場できるベンチ入りメンバーは26人だ。

 実績のある選手と契約交渉する場合、球団は当然、メジャー契約で契約する。このため、各球団はキャンプインの時点で、40人枠はほぼ埋まっている。球団としては、40人枠の中で、いかに勝てる選手を集めるかに手腕が問われる。その上で、いくつかの枠を若手や復活を期すベテランの選手らに残す。

 招待選手には、そもそも「メジャーのいす」は用意されていない。だからこそ、春のキャンプとオープン戦で残りわずかな「枠」をかけて争うが、あくまでマイナー契約の選手であり、キャンプ、オープン戦はふるいにかけられる場である。決して多くのチャンスはもらえず、メジャー契約を勝ち取るハードルは高い。


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