2024年12月22日(日)

Wedge REPORT

2014年10月21日

男性の「想像力の欠如」「無関心を継続してきたこと」が女性を終活へと誘った。妻と一緒に墓に入りたいなら、今、男性がすべきこととは何か。

 かつて夫婦が離婚する1番の理由は、「浮気」だった。それが今や夫の「無関心」になった。「無関心」といえば、心当たりの多い男性が多いのではないか。

三木哲男 (中央公論新社「婦人公論」前編集長) 1958年生まれ。東京学芸大学卒業。繊研新聞記者を経てフリーライターに。2000年に中央公論新社入社。06年から「婦人公論」編集長を務めた。現在は同社雑誌編集副主幹。

 例えば、もらったチケットや仕事の付き合いで、妻と一緒にコンサートなどに行く機会があったはず。準備をする妻に向かって「何をグズグズしているんだ。早くしろよ」などと言ってしまった、あるいは、苛立ちを覚えたことがあるという人は少なくないだろう。それこそ、妻への無関心なのだ。

 妻は、きっと着飾っていただろう。それは、一緒に出かけることが嬉しいからに他ならない。だが、妻に無関心な貴方はそれに気が付かないのだ。

 そんな時に、まさか「何でそんな派手な格好しているんだ!」などと言おうものなら、今度は貴方が「一緒に墓に入りたくない」と、妻から三行半を叩きつけられることになるだろう。

 妻が「離婚したい」、一緒に墓に入りたくないと言うまでには、妻のサインを見逃してきた、夫による無関心の蓄積がある。勘違いしてはいけないのが、妻は決して夫のことが嫌いなわけではない。しかし、言葉に出して褒めて欲しいし、自分に興味を持って欲しい。些細な無関心の蓄積が、妻に、「墓に入りたくない」と言わせるのだ。

 蓄積は妻の「ゴールデンタイム」から始まる。「ゴールデンタイム」とは45歳から55歳までを指す。この時期は、夫は管理職となり忙しいし、子どもは自立する。親の介護はまだ発生しておらず、子どもの自立で、パート等の給料を自分に回せる金銭的余裕もある。妻は、時間的、精神的、金銭的余裕を持つことになる。しかし、妻にせっかく余裕ができても、妻のことを見ず、褒めず、挙句の果てには家政婦のように扱ってきた人も多いのではないか。


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