僕の前職の友人たちには、がんを乗り越えた先輩たちが居る。彼らの性格は前向きで人望があり、ユーモアのセンスに溢れたタイプである。そんな仲間たちが、今年になって彼らのがんの快気祝いの席に僕を招待してくれた。
実は、僕の主治医から死の宣告を受けて抗がん剤治療の第1クールに入ったばかりで、出席することに気後れを感じた。だから、参加することにためらいがあったのだ。しかし、彼らが何度も誘ってくれるので勇気を持って参加させてもらった。後で聞いた話だが、彼らは気落ちしている僕を励まそうと、この会を態々企画してくれたとのことだった。彼らのさりげない優しさに心を打たれた。

ステージⅣから生還した友人たちの特徴
さて、僕が観察したところ、ステージⅣから生還した友人たちにはいくつかの特徴があった。まず、彼らはストレスを乗り越えられる「鈍感力」を持っている。最悪の死の宣告を受けたとき、彼らは真剣に悩むのはたったの3日間だけで、その後は日常のライフワークに戻ることができる驚異的な集中能力がある。これは、心の健康を保つための重要なスキルであると思う。
次に、彼らは筋トレや運動が好きで、体力に自信を持つタイプである。抗がん治療の副作用を乗り越えられるだけの体力を持ち合わせている。僕の知る限り、彼らは考えすぎずに身体を動かすことを楽しむタイプで運動を通じて心身ともにリフレッシュし、治療に対する抵抗力を高めているのだ。
3つ目の特徴は、彼らは悲観主義ではなく、物事を常にプラス思考に捉えることができる点だ。陰気な会話を嫌い、いつも笑顔で周囲を楽しくさせる異能を持っている。こうしたプラス思考は、彼ら自身の精神的な健康だけでなく、周囲の人々にも良い影響を与える。彼らの笑顔は、他の人たちをも明るくし、支え合う関係を築いていく。
最後に、彼らの考え方は利己的ではなく、他人を思いやる利他主義タイプである。彼らは「情けは人の為ならず」を実践しており、自分の経験を通じて他者を助けようとする姿勢を持っている。こうした人間関係の構築は、がんを克服する過程で重要な役割を果たしていると感じる。
がんを経験することで得た深い洞察力
がん生存者の特徴は、ただ身体的な健康だけに留まらず、心理的・社会的な側面にも深く関わっている。彼らは感情の解放を通じて免疫機能を強化し、特にステージⅣ患者において劇的な寛解を引き起こすケースが研究でも確認されている。治療中の前向きな姿勢は生存率向上と相関が見られるものの、個人差が大きい領域でもある。言わばプラセボ効果を呼び込み自分の感情を抑圧することなく、適切な方法で解放することで生存に寄与しているという点だ。
がんを克服した患者は、その後の生き方においても大きな変化を経験する。彼らは「時間の有限性」を実感し、一日一日を大切に生きる意識が強まる。物質的な価値よりも、人間関係や体験を重視するようになる。これは、彼らががんを経験することで得た深い洞察力である。
また、生活スタイルの刷新も見られる。ストレスの多い仕事をキッパリと辞任して、ワークライフバランスを優先するように決断した。健康維持のために食事管理や運動を習慣化することが多く、心身の健康を意識するようになる。こうした変化は、彼らがより充実した生活を送るための基盤となる。
人間関係の再構築も重要な変化である。がんを経験した友人たちは、パートナー選びの基準が変化し、真のソウルメイトと出会う例が増えている。また、サポートネットワークを積極的に構築することで、孤独感を和らげ、より充実した人間関係を築くことに注力している。