2025年7月13日(日)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2025年4月19日

「がんになって良かった」と感謝できるポジティブな発想

 末期がんを経験した生存者は、社会参画の新たな形を見つけることにこだわりを持っている。自身のがん経験を活かしたボランティア活動を開始したり、患者支援団体での発信や仲間づくりを通じて社会への貢献を果たしている。このような活動を通じて、彼らは自分自身の経験を他者と共有し、さらなる希望を与える存在となる。

 精神的な成長もまた、がん生存者に見られる変化の一つである。彼らは「がんになって良かった」と感謝できるポジティブな発想の転換を大切にしている。死の意識から逆説的に生きる力が強化され、自分自身の存在や人生について深く考えるようになる。このような成長は、がんを克服した患者が新たな生き方を見出す手助けとなる。

 僕が知っているステージⅣから生還した患者たちには、治療への積極的な取り組みが共通している。彼らは最新治療、つまり免疫療法や分子標的治療を積極的に試し、複数の治療を組み合わせることが多い。

 メンタルの強さも彼らに共通する特徴である。有名人のがんサバイバーでは鳥越俊太郎氏(大腸がんステージⅣ)は注目に値する。彼は自分自身を客観的に観察し続け、4回の手術を乗り越えた。医師からの宣告直後に生存率データを調べつつも「希望を捨てない」姿勢を貫いた。このように、メンタルの強さが治療過程において大きな役割を果たしていることが分かる。

 生活の質の維持も、がん生存者にとって重要な要素である。彼らは緩和ケアを併用しつつ体力温存に努め、治療を継続可能な状態を保つことができる。免疫療法など副作用が少ない治療を選択し、日常生活を維持したケースも多い。このような選択は、患者が自分の生活を大切にしながら治療を受ける手助けとなっている。


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