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2016年3月30日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

 進路実現もまさに自分で切り開いていく力が必要だ。生徒たちは将来的な夢の実現に向けて必要な学びを実践できる大学を自ら選択し、その掲げた目標に向かって学習に励んでいる。国公立大学および私立大学合格者数の増減に対しては、それほど重要視していない。結果として、京大をはじめ難関国公立大学を目指す生徒が多い。これらの大学の合格実績を上げることが堀川高校の最優先目標ではない。むしろ、入学した大学、大学卒業後の行動に対する評価に関心がある。『探究する力』をつけていく本校の探究活動は、たまたま京大の特色入試にマッチし、活用することができた。探究学習が進路実現につながったと思っているので、うれしい限りだ」と話す。

公立高校「復権」の動き

 堀川高校の「快進撃」について教育業界はどう見ているのか。大手のベネッセコーポレーションの藤井雅徳・学校カンパニー グローバル事業推進ユニット長は「何を学びたいのか? 知りたいのか? という学問への探究心から、学習への動機づけ(内発的動機づけ)を行う点と、大学選びを将来のキャリア(職業)からの逆算で行うのではなく、何を学びたいか? から追究させる点。この2点を通して、受験勉強への強い動機づけを行うことができているのが堀川高校だ。今年度は、東京都立日比谷高校が東大合格者50名を超えて、教育業界では、話題になっている。堀川、日比谷で共通する点は、公立進学校×SSH(探究学習)だ」と指摘する。

 日比谷高校は前年の37名を大きく上回る53名の東大合格者を出した。 都立高校で50名を超えるのは、1979年の戸山高校(55名合格)以来のこと。日比谷高校で見ると50人を超えたのは72年以来だという。このほか都立西高校が東大32人、京大15人を合格させ前年実績を大きく上回った。こうしたことから「いま流行の中高一貫校でなくても東大、京大入試は合格できる」という雰囲気が出ており、全国の公立進学高校に希望を与えている。つまり、私立高校が中高一貫で合格者数を増やそうとする傾向が強まる中で、最近は公立高校で有名大学に多数の合格者を出すなど、公立高校の「復権」の動きが見られるという。

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