琵琶湖の東南部に位置し、西に鏡山、東は雪野山に囲まれた滋賀県竜王町。毎年5月3日には、五穀豊穣を祈念して長刀(なぎなた)踊りを奉納する「ケンケト祭り」が挙行される。竜王町と、隣接する東近江市宮川町が合同で行う祭礼だ。
祭りの起源は諸説あるが、織田信長が甲賀攻めのときに地元の人々に援軍を依頼、戦果を上げたことを祝して始まったとされる。祭りの主役を務めるのは、長刀を手に色鮮やかな衣装を身に着けた、数えで11歳~20歳の男子たち。
当日は朝から各地区の神社へ渡御して踊りを奉納する。一番の見せ場が、15時ごろから杉之木(すぎのき)神社で奉納する長刀踊りだ。年少者から順番に演技が行われ、高校生以上の年長者になると、長刀を手で回しながら、その上を飛んだり空中に放り上げてつかんだりする、「仕舞振り」と呼ばれる曲芸のような技を披露する。
ケンケト祭りでは、高さが6メートルほどある、白鷺(しらさぎ)の造り物を掲げた「サギ」が行列とともに移動する。白鷺の下には5色の短冊をつないだ「イナブロ」と呼ばれる大御幣(おおごへい)が下げられ、祭りの途中でサギを倒してイナブロを奪おうとする地元の人たちと、それを阻止する警備役の若衆とで激しい競り合いが繰り広げられる。これも祭りの見どころだが、見物する際は巻き込まれないように十分注意したい。
<開催日>ケンケト祭り 2016年5月3日
<会場>滋賀県竜王町・杉之木神社など(東海道本線近江八幡駅からバス)
<問>竜王町観光協会 ☎0748(58)3715
http://www.town.ryuoh.shiga.jp/kanko/shiki/kanko_shiki.html
*情報は2016年3月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください
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