2024年12月27日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年4月27日

 台北タイムズは3月22日付社説で、中国は蔡英文が就任演説で『1992コンセンサス』に言及しなければ、今般の中国とガンビアの外交関係回復のような外交的手段、その他の脅迫をするであろうが、蔡英文はそれに屈するべきではない、と指摘しています。社説の論旨は以下の通り。

高まる中国から台湾への圧力

 中国とガンビア(台湾との国交を2003年に一方的に破棄)の外交関係は、誰を標的にしたものでもない、との中国外交部の陸慷報道官の主張にも拘わらず、この動きが台湾に一撃を与えるために企てられたことは明白である。

 中国は、馬英九はもはや役に立たないと示唆し、同時に蔡英文次期総統への圧力も高めようとしている。

 本件につき、民進党の立法委員は、馬英九の中国との外交的休戦に基づく「柔軟外交」の失敗を示していると言い、国民党の立法委員は、蔡英文に対する中国流の威嚇と解釈している。

 国民党の立法委員は、5月20日の就任演説で蔡英文が『1992コンセンサス』への言及を拒否したならば、中国は台湾と外交関係のある国々を台湾から引き離しにかかるだろう、と言っている。

 立法院の外交国防委員会の公聴会で、楊國強国家安全局長は、中国が蔡の就任演説に満足しなかった場合に中国が台湾に科しうる3つの制裁を挙げた。すなわち、既存の交渉チャンネルの閉鎖、中国人旅行者の台湾訪問禁止、外交的行動、である。

 国家安全局が立法院に提出した報告書は「新政権への警告には大きな意味がある。蔡が中国の期待に沿った就任演説をするよう圧力をかける意図である」としている。


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