2024年11月21日(木)

オモロイ社長、オモロイ会社

2017年2月23日

 ここ数年くらいでしょうか、近い将来になくなってしまう仕事や職業が話題になっています。今回のテーマである物流業界についても、総じて旧態依然としている、労働集約型である、ということから、IoT、ロボット、AIなど、最新のテクノロジーが投入されていくように思います。トラックの自動運転化、倉庫作業のロボット化で、いかに作業状況を変化させられるのか? 人間を介さないでモノを運ぶか? 効率化するか? そこに物流の近い未来があると思います。

 今回はいち早く、大阪の中小企業でLogistics-Techに目を付けアプローチを開始し、実行に移そうとされている、PAL(大阪市西区、資本金7350万円、正社員67名、アルバイト1500名(2016年12月末))の辻有吾社長に事業構造の転換、将来像について、また、大阪、関西で事業を行うことの利点についてうかがって来ました。

PALが運営する倉庫
 

サラリーマンを経て26歳で起業

 辻さんは、高校時代から起業家になることを決意、大学卒業後、営業系の会社に就職、3年ほどのサラリーマンの経験をしました。サラリーマン2年目には頭角を現し、事業部の責任者となりました。早々に責任者に抜擢、営業マンとしての実績を出せたこともあり、26歳で起業を決断したそうです。

 スタート時点は、大手運送会社の倉庫作業者の派遣事業からスタートしました。これを倉庫、物流業界に派遣、そして倉庫内作業のアウトソーシングを請け負いへと広げました。作業の効率化、生産性を上げることを追求し始め、「倉庫内でいかに荷物を動かさないか? → 省力化」にこだわりを持ち、倉庫内のオペレーションの構築、システム開発、機器〜設備〜備品に至るまでの独自流の開発を行いました。

ーー物流業界の現状と見通し、そして課題について教えてください

物流業界は、倉庫とトラックに重きを置いてきた業界ですが、、当社はその2つ共を持ってきませんでした。物流業界における「手=倉庫内作業」にこだわり続けてきたからです。自分が起業した頃と同時期、通販(Eコマース)が、ライフスタイルを変えてきました。

物流業界はAmazon、楽天にインパクトを与えられ続けてきました。現在のEコマースの規模は20兆円(旅行業も含)と言われています、近い将来、60兆円規模になるであろうと言われています。

それにともない、倉庫の不足(特に都心)、人材調達は、さらなる厳しさが予測されます。昨年末、ネット上でも「配達遅延」が話題となり顕在化が始まっています。60兆円の規模と言いましたが、個数ベースで言い表すと、現状年間39億個の荷物量が約1.5倍の60億個に増える現実が待っています。

我々は、2017年を「ロジスティク4.0」と位置づけ、多様なチャレンジを行っていきます。倉庫内で「手」にこだわってきたからこそ、来るべき倉庫業の変化、そこに勝機があると10年ほど前から感じていました。

24時間365日運営稼働のために必要なこと、倉庫内労働作業の見える化、数値化、データ化することを徹底し、ロジスティク4.0に備えています。トラックの自動運転も意外に早くスタートすると見ています。

ーー昨年から物流業界に関するWebメディア事業(最新物流情報メディア)をスタートされましたがどうしてですか? 

日本の物流業界は、完全に海外のタイムマシンモデルをずっと行ってきました。単に日本流に「焼き直し」をしてきたにすぎません。生産性を上げることが日本の急務です。我々のWebメディアは、世界の最先端、最新の情報を、業界のみならず、顧客企業にも届けることで、物流の近未来を一緒に創造していく「判断材料」になるべくメディア事業を立ち上げました。該当のページはこちらです→https://logisticspost.jp


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