人事担当者や経営者の方とお話していて「どうすればスムーズな社員教育ができるのだろうか」という話題が上がります。
500人の倒産企業の経営者インタビューによると、倒産の原因の2位が「社員教育の不備・欠如」というアンケート結果が出ています。
1位 経営者の高慢・経営能力の過信
2位 「社員教育の不備・欠如」
3位 事業目的・目標・計画性の欠如
4位 業界情報の不足と環境変化への対応不備
5位 新商品の欠如・技術開発の遅れ
(※八起会 500人の倒産経験者にアンケート調査)
社員教育がなされていない会社はないと思いますが、力を入れていない会社は持続的経営が難しいという事が数字からも見て取れます。また、もしかしたら「社員教育を行っている」つもりになっているのかもしれません。
弊社の組織診断では経営者(または経営層)と従業員の意識調査を実施しているのですが、
経営者サイドで「十分な従業員教育を行っている」という結果が出ている一方、従業員サイドでは「十分な従業員教育が行われていない」という結果となる場合があります。
このような状態を経営層と従業員の意識乖離と呼んでいますが、「社員教育をやっているつもり」になっている状態が経営危機を招く場合があるので要注意です。
今回は「社員教育をやっているつもり」状態の会社にありがちな事例と、それを解決するための方法についてお話していきます。
社員教育をやっているつもり事例
教育指導をする人材によって指導レベルが違う
指導マニュアル等が整備されていないため、指導レベルにばらつきが見られる。
影響:指導者によって指導レベルが大きく変わってくると受講者に知識をインプットする時点で大きなブレが発生し、その後の成長過程に大きな乖離が生まれてしまう。
計画的な社員教育が出来ていない
社員教育を受けた社員と受けていない社員がいたり、勤続年数やキャリアによる教育プランが存在せず、その時の気分で教育が実施されている。
影響:社員の能力開発がバラバラになり、現場での安定した知識や能力の疎通が難しくなり、業務に支障が出るようになります。
教育の目的や難易度が社員と合っていない
計画的な教育ができていない場合、このケースに陥ります。
影響:会社の運営にも影響を及ぼす深刻なケース。
何のための指導なのか受講する側は意図が理解できず「普段の仕事に活かすことができない」という結果になります。また難易度が高すぎると「難しくてわからない」「できない自分が悪い」というネガティブな印象だけが残りかねません。
それでは、良い結果を生む効果的な社員教育とはどのようなものでしょうか?