伝える力・伝わる仕組みできてますか?

2017年4月11日

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加藤利彦 (かとう・としひこ)

グッドマネジメント総合研究所代表

株式会社 EC studio(現:ChatWork株式会社)に創業メンバーとして参画。中小企業に向けたIT活用の支援を累計1,000社以上に実施。2007年に人事担当役員(常務取締役)に就任。2008年と2009年に2年連続で〔株〕リンクアンドモチベーションによる組織診断で「日本一社員満足度が高い会社」に認定される。その実績をもとに2011年4月、株式会社グッドマネジメント総合研究所を設立。同社代表取締役に就任。HRM(Human Resource Management)とIT(Information Technology)を通して、従業員意識調査による組織分析、組織力の強化、社内教育、組織内の情報共有など、総合的に経営を支援する事業を展開している。

効果的な社員教育とは

計画的に考えられている

 年間を通していつ・何を・何のために・どうやって社員教育を行うのか、計画性を持ったカリキュラムが組まれている。

 当たり前のようですがこれが1番大切です。設計図をしっかり描けてこそ、我が社に必要なものはどんな事なのか、そのために行うべき事は具体的にどんな事なのか。見えてくるのではないでしょうか。

 さて、しっかりとした計画を立てた後に行うべきことは何でしょうか。それは計画を実行へ移すための運用体制です。昨今は、デジタル化された教育コンテンツを容易にシステムで管理することが可能です。教育を受ける社員は、パソコンはもちろん、タブレットやスマートフォンでも学ぶことができます。そのようなツールを活用し、自社独自の教育コンテンツ・教育カリキュラム・運用体制を構築します。

 社員教育をスムーズに運用する際に役立つ、いくつかのコツをご紹介いたします。

スムーズな運用体制の構築方法

カリキュラムの意図や目的を明文化して全社共有する

 社員教育のカリキュラムに対して、どのような意図や目的があるのか全社的に理解を得るような内容を盛り込みます。業務のどの部分でどのように役立つのか、長く勤務している社員からすると当たり前のことでも、これから活躍する社員にとっては、なぜ? 何のために? ということが理解できないと、頭ごなしに教育を受けている印象になったり、業務で活かすことが難しくなってしまいます。

社員教育を担当できる人材を育成する

 832社を対象に実施した調査から、社内に学びの文化を持つ企業は、結果的に高業績であるということが分かっています。(※ATD Research: Building a Culture of Learning: The Foundation of a Successful Organization)社内に学びの文化を醸成させ、教えることが好きな人材、学ぶことの大切さを意識できる人材を育てる仕組みについて、検討して作り込みます。カリキュラムやコンテンツを作る側の社員を増やすことは、一つの有効な手段になります。

リマインドシステムを作る

 エビングハウスの忘却曲線の実験結果にあるように、人間は学習したことを1カ月で79%も忘れてしまいます。そのため、学んだことの復習を定期的に促すことも重要になってきます。一通りの社内教育終了後も、会社として必須の考え方や知識については、定期的にリマインドする仕組みやタイミングを作ることで、教育内容は忘れられるどころか、より深い理解へとつながっていきます。

 まとめると「社員教育をやっているつもり」から脱却するのに必要なのは入念な計画とそれを実行できる運用体制の構築です。100%の完成を目指さずに一度全体の流れを作ってしまうことが大切だと考えています。その上で課題や改善ポイントを探り、修正・改善を重ねて行くことが重要です。

 私の経験上からも踏まえて、社員教育の計画と運用体制を構築された会社では、一様に「指導時間」「指導労力」「指導のズレによる混乱」を抑えることに成功されています。社員教育に課題がある場合は、社員教育の計画と運用体制に取り組むことで、指導をする社員のためにも、指導を受ける社員のためにもなり、飛躍的な組織の成長につながることでしょう。

  
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