オトナの教養 週末の一冊

2017年5月25日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

――性の部分で充実している高齢者とそうでない人では違いがあると、取材中感じましたか?

坂爪:充実しているかどうかは、コミュニケーションの基本である、相手を考えて行動できるかどうかだと思います。

 たとえば、前出のように「夢は腹上死」と言ってはばからない人がいます。男性側は良いのかもしれませんが、される立場の女性側は大変迷惑です。相手のことを考えない、そうした一方的な願望をパートナーに押し付ける人は、モテないのではないでしょうか。そういった意味では、当たり前ですが、これまでの人生でコミュニケーションの基本ができている人がモテるのかなと思いますね。

――続いて、坂爪さんが活動のフィールドとしている福祉の場面での性について聞かせてください。介護現場などでは性に関してタブーになっていると思います。それは坂爪さんが代表を務めるホワイトハンズの障がい者の性介助についても同じくタブー視されていた面はあると思います。

坂爪:両者ともタブー視されていた面はありますね。ただし、それは支援する側の都合だとも思います。障がい者の介助であっても、高齢者の介護であっても、相手が色気のない、性欲のない存在としたほうが支援や関わりを持ちやすいからです。

 逆に、高齢者や障がい者という当事者からすれば性のことで声を上げづらい面もあります。

――現在、福祉の現場で性に関わることで問題になっていることはありますか?

坂爪:そもそも現場でケアを担当する介護福祉士や看護師は、学校や教科書などで高齢者に性欲があること、そして性的なことへの対処をまったく学んでいません。ですから、介護の現場でセクハラがあるとショックを受けます。

――教科書等では一切学んでいないんですね。では、どこまで事前に学び、どう対処するのが良いと坂爪さんは考えていますか?

坂爪:まず近年、医療や介護の現場で注目を浴びている「ユマニチュード」というコミュニケーション技法があります。フランス語で「人間らしさ」を表すユマニチュードは、たとえ認知症の高齢者であっても「自分が人間であること」を思い出してもらい、支援者と良好な関係を築く技法です。

 ユマニチュードの考え方を踏まえると「高齢者の性はあってはならないもの」ではなく、人として生きる上で当たり前のものとして捉え、支援者や家族と連携し支援することは重要です。

 ただし、セクハラや性暴力といった人として当たり前という理念だけではどうにもならないこともあるのは確かです。

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