中国で人気のSNS、微博(ウェイボー)や微信(ウィーチャット)の仕組みは日本人にはわかりにくい。しかし、在日中国系企業として、企業のSNSの情報管理を手掛けたり、ウェブマーケティングに特化している企業があるという。クロスボーダーネクストだ。同社CEOの何暁霞(か・ぎょうか)氏に話を聞いた。
――御社のビジネス内容を教えてください。
何氏:主に2つの柱があります。1つは中国のウェイボーやウィーチャットのCRM(顧客関係管理)に関するシステム開発、ウェブマーケティングなどを行って日本企業に提供すること、もう1つは日本情報の発信に強い主なKOL(key opinion leader)を一元管理し、彼らの影響力などを分析して日本企業の対中国向けSNSのサポートすることです。
――具体的にはどのようなことを行っているのでしょうか。
何氏:中国のSNSは近年急速に発達しましたが、日本企業はそれをどのように自社のPRのために活用したらよいのかわからない、という話をよく聞きます。実際、費用をかけて中国語でホームページを作っても、多くの中国人に見てもらえなかったり、訴求したい顧客にアプローチできていないという「ずれ」の問題が生じていました。そこで弊社ではITとマーケティングを駆使し、日本企業の中国のSNSに関するコンテンツ制作、マーケティング、企画、ウェブ制作、情報の配信、データ分析、レポートなどを行っています。
たとえば、SNSの中に現れる取引先企業のデータを分析し、人気のあるクチコミをチェックしてみると、その企業のどのような商品がどんな属性の中国人のユーザーから注目されているのかがわかります。クチコミを抽出し、状況分析を行った結果、さらに中国の顧客により効果的なアプローチを行っていきます。
そのひとつとして、サンプリングキャンペーンやその企業のイメージに合ったKOLの投稿を使ったサイト制作などを行っています。サンプリングは告知をして応募してきた人々から情報発信してもらい、そこでどういった影響があったのかをシステムに構築していきます。こうすることによって、どのような拡散の仕方をしていったかも情報を蓄積していくことができます。
KOLを使った施策としては、その商品のターゲットにマッチしたKOLを選出し、KOLのターゲットと普段の人気投稿に合わせて、テキストと写真の投稿、動画配信などを行ったり、SNSのモーメンツ(タイムライン)を使って情報を拡散しています。KOLの公式アカウントに広告を載せたり、ファングループを作ったりすることもあります。すでに弊社とコラボして中国のSNSを使い、キャンペーン企画などを行った日本の大手菓子メーカー、化粧品メーカーなどもあります。